Entertainment

子どものニセ発作とマジ発作を見分ける方法を編み出した【こだま連載】

「体温を計らせてもらうよ。ちょっと脇を上げて」  彼は白目のまま、スッと左脇を上げた。死体のように白目を剥いた人間がこんなに協力的なはずがない。 「ヤスカワ君、起きているのね?」  体温計のピピッと同時に彼は起き上がり、スタスタと消えていった。  もちろん毎回「こんなことをしていたら本当に苦しいときに助けてもらえないかもしれないよ」とヤスカワ君に注意している。だが、やってしまう。やってはいけないとわかっているはずなのに、都合が悪くなるとやってしまうのだ。どれだけ言ってもヤスカワ君は白目で横たわる。とても人間らしい行為だと思う。  私は独自に編み出した「必要でもないのに体温を測り、その協力具合から見破る」方法でマジの回に備えている。 ※当連載は、同人誌『なし水』に寄稿したエッセイ、並びにブログ本『塩で揉む』に収録した文章を加筆修正したものです。 <TEXT/こだま>
1
2
3
Cxense Recommend widget
夫のちんぽが入らない

交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落"の半生。“衝撃の実話"が大幅加筆修正のうえ、完全版としてついに書籍化!

あなたにおすすめ