次第に盛り上がりを見せる会場内
では、そんな女医との出会いにも積極的なハイスペ男とはどんな人たちなのでしょう。仕立ての良い、見るからに高そうなスーツを着こなす後輩を引き連れ、豪快にシャンパンをあおるグループのリーダーらしき男性に声をかけると、開口一番に
「俺たち、トランプの就任式に招待されてるんだよね」
と、ドヤ顔。トランプばりに強気な姿勢の投資ファンド代表の勢いに、その場の誰もが圧倒されていました。唯一、帰国子女だという女医さんだけが「今後のアメリカ情勢は気になりますよね」と、優しい合いの手を入れるものの、正直、そこから恋愛に発展するような色っぽさは感じられませんでした。むしろ、他の男性参加者が即座に名刺交換を始めるなど、異業種交流会的な食いつきが目立ちました。
ハイスペ男は、恋愛よりもビジネスチャンスに貪欲なようです。ちなみに会の終盤、別のテーブルでその女医さんに話を聞くと、
「患者さんのお話をしっかり聞く癖がついてるからか、こういう時でもつい、仕事モードになっちゃうのがダメなのかも。私の理想は、日系企業にお勤めの、穏やかで普通の人。とにかく私の話をうん、うん、って優しく聞いて欲しい。外資系の人って、グイグイしすぎてて結婚したら疲れそうでしょ……。でも、医者の上に帰国子女って言うと余計引かれちゃうんですよね」
と、グローバルなハイスペ同士ならうまくいくかと思いきや、贅沢に思えるミスマッチに悩んでいました。
ただ、やはりハーバード卒の金融機関勤務(20代)、外資系ITコンサル(40代)などは、外国人並みに立食パーティー慣れしているのか、初対面の人とでも純粋に会話を楽しむスキルが高い男性が目立ちました。椅子をさっと引く、女性の飲み物がなくなるとさりげなくオーダーするなど、自然なエスコートが身に付いているところにいかにもハイスペ感が漂っておりました。
シャンパンとともに供される美味しそうなシュリンプカクテル
会場内にはカジュアルな装いの男性も
また、そういうタイプとは毛色が違うけれど、鍛えられた胸板、日焼け肌に白い歯が眩しいややチャラ男風のイケメンが女性グループに囲まれているのを発見。聞けば歯科医(30代)だといいます。
「俺は最初から歯医者になりたかったから気にしないけど、
医学部を狙ってたけど、偏差値足りなくて歯学部ってタイプは結構いるんだよね(笑)。医者とひとくちに言っても、科によってヒエラルキーがあるから、同業者を嫌がる人は案外多いかも。医者や歯医者と結婚したい女の子は、その辺下手につっこまない方が良いよ。基本、プライドが高い男が多いからね」
一般人にとっては気にならないちょっとした差異も、ハイスペ男には地雷になる危険性があるようです。確かに、女医側からは「相手の収入はさほど気にならない」という意見が多く聞かれる中、男性側には
「俺は女医にも負けない収入、ステータスがある!」という自負、プライドが見え隠れする人が多いのも印象的でした。