単刀直入に「私が子供産んであげよっか」と伝えてみた
指定された場所は、やっぱり六本木。N氏的に言うとギロッポン。
とあるバーにて、どんどんお酒を進めていると、同じバツイチ同士の「結婚とは?」という壮大なテーマで盛り上がりました。以下、私たちの会話はこんな感じ。
N「やっぱり子供は欲しいなぁ」
おとなしくYouTubeを見ている娘に目を細めるN氏。
(これはキター!!!!)
私「子供欲しいの?」
N「そりゃあね」
私「私が産んであげよっか?」
N「結婚するってこと?」
私「……違くて、子供だけ産むの。それで私が育てるの」
N「何言ってるの? 意味が分からない」
私「だから、私は結婚はしたくないけど子供だけ欲しいの。だから協力して!」
N氏に根拠のない可能性を感じ、興奮気味の私。お願いだから「結婚しよう」って言わないでね!
N「うーん。気持ちはわかった。じゃあ百歩譲って、結婚しないで子供は作ろう」
私「ホント? ホント!?」
まさかの展開に頭の中で自分の排卵日を計算したりみたりする。しかし、そう簡単にうまく行くわけがないのです……。
N「その代わり、親権はもらうよ。子供は俺が育てる」
私「……え?」
意味なーい! それじゃただの代理母じゃねーか!
N氏は続けて、
「俺も子供は欲しいけど、結婚はしない派なんだよ」ときっぱりと言いました。
まさかの私と同じ考え……って、これじゃあ、ダメなのよ! 子供が欲しいのは私のほうなの!
何はともあれ、まさか自分で子供を育てたいという男性がいるとは誤算でした。いわゆるシングルファーザー願望というやつですね。
今回は良い勉強になりました。これからは、条件を一つ増やします。結婚はしたくなくて、活きの良い精子をもってそうで、“子供に興味がない人”を探さなければいけませんね。
<TEXT/杉沢志乃>
【杉沢志乃(すぎさわしの)】
35歳。東京生まれ。ナンバーワンホステス時代に独学で行政書士試験に合格。25歳で小説『キャバクラ嬢行政書士の事件簿』(ゴマブックス)を出版し、翌年『キャバギョ!』でDVD化。以後シリーズ3まで出版。映像メーカー広報部を経て、現在は女性向け映像メーカー「
ラ・コビルナ」の代表取締役社長となる