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風俗に行く男は風俗嬢に共感している!? 漫画家・鳥飼茜が男目線で気づいたこと

自分の中にいる“男の人”を探しながら描いている

鳥飼茜さん_3――以前、『週刊SPA!』の「エッジな人々」でインタビューさせてもらったとき、「男性は、性的な対象として見る女性とそうでない女性を分けていて、前者の女性のことを人格のない人形のように扱っているのではないか」とおっしゃっていました。やはり、男性は風俗嬢をそのように扱っていると思いますか? 鳥飼:それだけではないんだろうな、と思うようにはなりました。 ――少し見方が変わったということですか? 鳥飼:今は私が理解できる範囲、共感できる範囲で、自分の中にいる“男の人”の部分を探している最中です。その人の頭で考えると、女の人に甘えたいとか癒されたいという気持ちを満たしてくれる相手として、尊重はしているんだろうと思います。でも、私の中の男性は、まだ風俗嬢に対して一対一で向き合うほどの人格は求めていない。もちろん、そういう男性もいるのかもしれないんですけど。 ――『週刊SPA!』2月21日発売号に掲載の「ロマンス暴風域」第11話では、「自分を見下して受け入れてくれない世界への憎しみ」「同じように世界から拒まれたみたいなあのコを救いたい」というサトミンのモノローグが印象的でしたが、これはどういうことですか? 鳥飼:女の人は、子供の頃からデフォルトで「女ならこうでなければ」という圧力を感じて育っているから、元々“社会から弾き出される”みたいな感覚があると思うんです。風俗で働いている人は、余計にそういう感じが強い。そこに共感する男性は増えているのかも。 ――サトミンは、せりかのそういうところに共感して好きになったと? 鳥飼:前回も言ったように、最近は男の人も世間からの圧力に生きづらさを感じている人が増えているでしょ。だから、風俗を今利用してる男の人の感覚は、女を金で買える強者の感覚と、“社会からはみ出した女の子”に対する共感が、絶妙に入り混じっているんじゃないかと思います。 ――サトミンも、せりかとまだ一人の人間としては向き合えていないんでしょうか? 鳥飼:現時点での私の立ち位置はそうだけど、この連載が進んでいって描き終わる頃に、本当に人として一対一で向き合えるのかは、まだわからないです。自分の中にいる男の人が試行錯誤しているのを、私はただ書き写して連載にしている、みたいな感じ。想像力の限界に挑戦していますね(笑)。 鳥飼茜さん_4【鳥飼茜 プロフィール】 ’81年、大阪府生まれ。’04年デビュー。主な作品に『おんなのいえ』、『先生の白い噓』(ともに講談社)、『地獄のガールフレンド』(祥伝社)ほか。’16年10月より『週刊SPA!』で「ロマンス暴風域」を連載中。 <TEXT/福田フクスケ PHOTO/スギゾー。>
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※鳥飼氏の目から見た男性の特性や風俗観、『週刊SPA!』ヘの意外な思い入れを語る「日刊SPA!」のインタビューもあわせてお読みください。

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表紙の人/ 池田エライザ

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