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6歳から受験勉強、壊れるエリートたち…この競争にゴールはあるの?

親子関係が「取引」になっていないか?

 最近、筆者の家の近所にゲームショップができました。毎日学校が終わったころに、カードバトルに興じる子供たちの姿を目にします。余計なお世話でしょうが、そのたびに思うのです。「こいつらかわいそうだな。どこにも逃げ場がないわ」と。  親が教育のための時間とお金を投資して、子供からのリターンを期待する。そんな親子関係がディール(取引)ならば、ほんのわずかな遊びのときにも、子供から小遣いを掠めとるディールが顔をのぞかせている。教育も遊びも、全て“コスパ”で判断される。  ゲームショップにたむろする彼らが香港のビジネスエリートになることはないでしょうが、それでもどこか追いつめられたように見える点では似たようなものです。  こんな現状ではほとんど無力でしょうけれども、最後にルー・リードの「Teach The Gifted Children」という曲をご紹介しましょう。”子供たちに、憐みを持つことや寛容であることの大切さを教えてあげなさい”、などと歌っています。  近年、“美しい国”を目指すとかいうどこかの国が道徳を必修化したがっているそうですが、当然そんな付け焼刃で身に着くほどたやすいものではありません。  それはともかく、エリートと呼ばれるからには、どうかそのことを頭の片隅にでも入れておいていただきたいのです。早々に道を踏み外した筆者からのお願いです。 <TEXT/石黒隆之> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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