日曜日の昼下がり、新宿の駅前で待ち合わせ。
私「こんにちは」
ヒールを履いていない私と同じくらいの身長のさわやかイケメンが現れました。
S「待った? ごめんね。じゃあ行こうか」
抱っこ紐で子供を抱いている私を気遣うように、段差や横断歩道をサポートしてくれ、かなり紳士な印象。

S「新宿、ランチ、子連れ、で検索したらここが出てきたからここにしよう」
向かったのは、私もよくママ会で使う子連れに人気のレストラン。子持ちのことを考えたお店のチョイスはなかなかです! 席に着くとコートを脱がしてくれたり、さり気なく上座の椅子を引いてくれたり、気分は姫。この人は「あり!」かもしれないと期待に胸が膨らみます!
しかし、食事をしながら恋愛の話になった途端に険悪になってしまいました。
S「最近2年同棲してた彼女と別れたばっかりなんだよね。志乃ちゃんは?」
私「私も結婚生活2年だったけど、やっぱり私には他人と暮らすのは無理みたい。しかも子供も小さいし仕事も親の介護もあって猛烈に忙しいし、これからまた恋愛したいとか今は思わないんだ」
初対面の人に対してシングルマザーの現実をいきなり突きつけてしまった私。ハッと気付くも時すでに遅し……。それからというものS氏の言葉数は極端に少なくなり、会話が盛り上がることはありませんでした。
私自身も「これはまずい!」と思いましたが、初対面の男性に対して、どう挽回すればいいのかまるでわかりませんでした。

ランチを食べ終えると「今日はこれから天気が悪くなりそうだから帰ろうか」と、早々に店を出るなりその場を去ってしまったのです。
出会いツールは、出会うスピードも早いけど、見切りをつけられるのも一瞬なんだと実感しました。瞬時に「この人はないから次に行こう」と感じたのでしょう。もう二度と会ってもらえないはずです。
せっかく良い人と出会えたのに、自らそのチャンスを逃すようなことを言ってしまうなんて……。完全に初歩的なミスでした。反省。
<TEXT/杉沢志乃>
【杉沢志乃(すぎさわしの)】
35歳。東京生まれ。ナンバーワンホステス時代に独学で行政書士試験に合格。25歳で小説『キャバクラ嬢行政書士の事件簿』(ゴマブックス)を出版し、翌年『キャバギョ!』でDVD化。以後シリーズ3まで出版。映像メーカー広報部を経て、現在は女性向け映像メーカー「
ラ・コビルナ」の代表取締役社長となる