そのようなニュアンスを中心にして、CMを独立した作品にしてしまったのがクリスチャン・ディオール。
ナタリー・ポートマンが出演し、監督はU2やニルヴァーナなどのミュージックビデオで知られるアントン・コービン。そこにジャニス・ジョプリンの「Piece of My Heart」をフィーチャーした映像には、香水のCMなのにそれを使うシーンがどこにも出てこないのです。
⇒【YouTube】はコチラ Miss Dior – The new film (Official Director’s Cut) https://youtu.be/52Z5ob-6jNI
http://youtu.be/52Z5ob-6jNI
“ミス ディオールを使えばこんないいことが起きる”的な売り文句ではなく、香りの持つ危うさからアイデアが広がっていく。一見ディオールとは正反対に思えるジャニスの荒々しさが、意表を突く匂いになっている点も見逃せません。
露骨に商品を売り込むのではなく、むしろそれ以外のディテールにこだわることが、結果的にブランド力を高めるのでしょう。