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“のん”出演のLINEモバイルCMがいい!曲と映像の名作CM選

商品が全く出てこないディオールのCM

 そのようなニュアンスを中心にして、CMを独立した作品にしてしまったのがクリスチャン・ディオール。  ナタリー・ポートマンが出演し、監督はU2やニルヴァーナなどのミュージックビデオで知られるアントン・コービン。そこにジャニス・ジョプリンの「Piece of My Heart」をフィーチャーした映像には、香水のCMなのにそれを使うシーンがどこにも出てこないのです。 ⇒【YouTube】はコチラ Miss Dior – The new film (Official Director’s Cut) https://youtu.be/52Z5ob-6jNI http://youtu.be/52Z5ob-6jNI “ミス ディオールを使えばこんないいことが起きる”的な売り文句ではなく、香りの持つ危うさからアイデアが広がっていく。一見ディオールとは正反対に思えるジャニスの荒々しさが、意表を突く匂いになっている点も見逃せません。  露骨に商品を売り込むのではなく、むしろそれ以外のディテールにこだわることが、結果的にブランド力を高めるのでしょう。

1993年~の日産のCMはすごかった

 そう考えると、1993年に流れていた日産グループの企業CMはすごかったんだなと思います。ムットーニ(自動人形師)の作品と優美なジャズピアノが流れるだけ。 “私達はこれを良しとする企業体です。どうぞよろしく”と価値観を提示したあとは、良い意味で投げっぱなし。  でも、どんなCMよりも雄弁でした。ひょっとすると、LINEモバイルよりずっと前に「愛と革新。」を体現していたのかもしれませんね。 <TEXT/音楽批評・石黒隆之> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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