いい奥さんであろうとするとお金はどんどん飛んでいく
突然、子どもに「欲しいものがある」とねだられたときや、夫に「どうしても今日は外食がしたい」と言われたとき。そんなときは、「大切な家族に言われたのだから仕方がない」と言って、自分のための出費を後回しにして、夫や子どもの希望を叶えてあげたくなるのものです。
まさに「優しいお母さん」「いい奥さん」の象徴とも言えるようなこの行動ですが、実はこれも「お金が貯まらない危険行動」であると横山さんは指摘します。
「いい奥さんであればあるほど、実はお金は貯まらないです。たしかに自分を犠牲にして、夫や子どものためにお金を節約して、自分に使うお金を後回しにするのは母親や妻としては非常に愛情深い行動ではあります。でも、家族の希望を聞きすぎてしまう一番の問題点は、計画的にお金を使うことができなくなり、無駄が増え、家計がコントロールできなくなってしまうことです」
たとえば、「夫が外食したい希望を聞き入れた結果、その日の食事として用意していた食材を余らせてしまい、無駄にする」。また、「子どもに欲しいものがあるとねだられると、自分が本来予定していた買い物を来月に回してしまい、翌月の収支が苦しくなる」など、臨時出費や無駄な出費が増えることで、計画的にお金を貯められなくなってしまうのです。
横山光昭さん
「仮に家族から何か頼まれごとやおねだりをされたとしても、そこはぐっと心を鬼にして、『今月はもう使うべきお金の金額は決まっているから』と、上手に家計をコントロールしていきましょう。
また、自分だけで家計を切り盛りしようと抱え込まず、家族に対して家計の状況をきっちりと共有しておく機会を日ごろから設定しておくのも手です。家計の状況がわかれば、『あぁ、お母さんはただやみくもにダメと言っているわけではないんだな』『いろいろ考えてくれているんだな』という意識を家族が持ってくれるようになるので、無茶なおねだりが減るはず。私自身も、定期的に家族会議を開いては、妻や子どもと一緒に家計について考える時間を設けていますよ」
大事なお金の共有で家族との絆も深まるかもしれませんね!
<TEXT/藤村はるな PHOTO/難波雄史>