「奪い愛、冬」は「誰が一番狂ってるんだ選手権」だった【冬ドラマ】
【スナイパー小林の勝手にドラマ大賞 2017冬 ストーリー賞編】
なにかと話題作が多かった2017年冬ドラマがあっという間に終了。主演賞、助演賞に引き続き、私の独断でドラマを総評していこう。受賞者には特になんの賞品もありませんが、イチドラマ解説者からラブコールを受けたということで、記憶に留めていただければと……それでは、ストーリー賞をどうぞ。
●ストーリー賞:「奪い愛、冬」(テレビ朝日)
2017年冬ドラマの主役といえば「カルテット(TBS)」。私も毎週、楽しみに視聴していた。脚本は坂元裕二さん(過去作品に「Mother/日本テレビ・2010年」「最高の離婚/2013年・フジテレビ)」など)、松たか子を筆頭にした期待しか感じられないキャスティング。ドラマファンからすると、この放送前の情報だけも見る以外の選択肢がないドラマだった。実際に放送されても、回を追うごとに判明する伏線や心揺さぶるセリフの数々に、SNSのタイムラインはいつも賑わったていた。
なので、ここで取り上げても“今さら感”が否めないだろうと思い、私の中で「カルテット」は殿堂入りに。
では今クールのドラマでどの作品にストーリー賞をあげたいかと言えば、助演男優賞の回でも取り上げた「奪い愛、冬(テレビ朝日)」である。その魅力についてざっくりと二つ挙げてみよう。
ヒロインは倉科カナ(池内光役)、その恋のお相手となるのが大谷亮平(森山信役)。タイトル通り、この二人を巡る“奪い愛”が勃発するのが本作品の大筋だ。
水野美紀(森山蘭役)と三浦翔平(奥川康太役)の怪演が怖すぎると話題に上がっていたが、実は他の出演者もほぼ狂っていた。
同僚の康太に恋する役として秋元才加が登場したのだが、光を潰しにかかるわ、康太に色仕掛けで迫るわで、割といい仕事をしていた。バレンタインにまさかの「自分にリボン」で登場したのが怪演のハイライトだろうか。
また、執拗なまでに息子を溺愛して、その婚約者をいびり倒す母親役には榊原郁恵。“夏のお嬢さん”もついにいじめ役をやるまでになったか、とやや感慨深かった。
その他、光と康太の所属するデザイン会社の上司も地味におかしいし、ダレノガレ明美の演技は悲惨そのものという、ある種の怪演も見られた。
私の中で「どの出演者が一番狂ってるんだ選手権」が開催され、その1位の座を上記エントリー俳優陣がまさに奪い合いだったのである。ああ、おもしろかった。
ヒロイン&ヒーロー以外、全員、狂い踏み
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