「夫はいらない、子供が欲しい」という自分の闇に気づいて泣いた【シングルマザー妊活】
いきなりの「なんで離婚したの?」にたじろぎつつ……
前回は友達がいたこともあり、お互いの話はあまりしませんでしたが、今回はうって変わって込み入った話をしたがるゴリラ君。
挨拶も早々に突然、「なんで離婚したのか聞いてもいい?」と言い出す始末。突拍子もない質問に驚きつつも、お互いの恋愛観や結婚観などを話している中で、私が一言。
私「もし、私の事を好きだと言ってくれる人がいたとしても、子供のいる私と、子供のいない私だったら、できれば子供がいない方いいって言うに決まってる。今までもそう言うと、“ぐうの音も出ません”て言われてきたから」
するとゴリラ君、一呼吸置いてこんなことを言い出しました。
ゴ「僕は、子供の居ない志乃ちゃんだったら好きになっていないと思う」
目を丸くする私をよそに、彼はこう続けます。
ゴ「女性は子供を産むと強くたくましくなるし、人として成長して性格は丸くなる。子供を産む前の志乃ちゃんを知らないけど、今の子供がいる志乃ちゃんを僕は好きになったんだ」
まっすぐな言葉に、思わず涙がこぼれる
ゴ「え? え? ごめん!! 大丈夫?」
慌てるゴリラ君を見て、私は今まで何をムキになっていたんだろうと、肩の力が抜けていくのが分かりました。頑なに「恋愛はしない!」「旦那は要らない!」と言っていた自分がアホらしく思えてきて、そんなことは本当は重要ではないんだと気づいたのです。
シングルマザーだってゴリラ君のように「お母さんのあなたがいい」と言ってくれる人もいる。彼の一言で、独身の時のような恋愛はできないけど、シングルマザーにはシングルマザーの恋愛の仕方があるんじゃないかと思えるようになりました。ゴリラ君ありがとう!!
とはいえ、産まれてきた子がゴリラだったら……と考えると、どうしても先に進めないので、ゴリラ君とは良い友達でいようと心に決めたのでした。
<TEXT/杉沢志乃>
【杉沢志乃(すぎさわしの)】
35歳。東京生まれ。ナンバーワンホステス時代に独学で行政書士試験に合格。25歳で小説『キャバクラ嬢行政書士の事件簿』(ゴマブックス)を出版し、翌年『キャバギョ!』でDVD化。以後シリーズ3まで出版。映像メーカー広報部を経て、現在は女性向け映像メーカー「ラ・コビルナ」の代表取締役社長となる 1
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