――これまでの燃え殻さんの話を聞いていると、恋愛はかなりリスクがあるもののような気がしてきました(笑)。
燃え殻:いろいろな恋愛があると思いますが、ガチなやつはマジでヤバいと思う。中島らもさんも「恋は病気の一種だ」って言ってたけど、ふつうの日常が突然送れなくなるバグみたいなものだと思うんです。それをいろんな作品でこの世で一番美しいものみたいな扱いをするじゃないですか。でも、本当にそうなのかなって。本当はそんなに美しくて優しいものじゃない気がします。
病気もそうだけど、わからないから怖いんですよね。本当に恋に落ちると自分の体調や人生がどうなるかわからない、不安定な状況に突然置かれてしまう。多幸感に満ちている感覚も実感としてあるんだろうけど、そうじゃないものが正体な気がするんですよね。どちらかとそういう側面のことを書きたかったような気がします。
――恋愛に対して慎重になっている?
燃え殻:でも風邪と一緒で予防してもなるんですよ。本当はあれほどの病にかからない人生がいいなって心から思う。あんまりだよって。そんなことがあったらまた本を書いちゃいそうですけど(笑)。

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燃え殻インタビュー 後編―
<TEXT/女子SPA!編集部 PHOTO/山川修一>
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