数日後に出た検査結果は陰性で、感染はしていませんでした。
それを機に洗濯などの別対応はなくなりましたが、両親の態度はやはりどこかよそよそしかったとのこと。
「HIVはシロでも、息子がゲイである事実は覆らないですからね。それでも、日がたつにつれて少しずつ普通に接してくれるようにはなりましたけどね」
表向きは以前と変わらない日常が戻りつつありましたが、結果が出るまでのあいだに芽生えたわだかまりは消えず、ついに耐えられなくなったケイスケさんは逃げるように家を飛び出してしまいました。
「両親の葛藤や、現実を受け止められない気持ちはわかります。でも、つらかった。HIVを疑われたこと、忌まわしく思われていそうな態度、それらすべてが『
もうふたりの息子ではない』と言っているようで、耐えられなかったんです」
―LGBTを親にカミングアウトしたら…【前編】―
<TEXT/千葉こころ>
千葉こころ
自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。
人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中