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「人生最悪の時こそヒントがある」NYファッション界で見たドン底と栄光

ロックフェラー財団からファッションショーの依頼が

 ファションウィ―クのショーの最後の1点にウェディングをイメージした真っ白い立体の花のドレスを出しました。  それを見た、ロックフェラー財団のスタッフが、花のドレスをいたく気に入り、1998年夏のニューヨークの代表的な催し“ロックフェラー・フラワーガーデンショー”のメインイベントとしてファッションショーをして欲しいと依頼してきたのです。  ロックフェラーセンター前にクリスマスに飾られる大きなクリスマスツリーはご存知ですか? 世界中の人が楽しみにしているその場所にステージを作り、NBCテレビでショーは放送されると言います。  財団の方は必死に私にこう説明するのです。 「NYのど真ん中の3ブロックを森にする。だからメインのショーでは君の衣装が絶対に必要なんだ」。  ショーのタイトルは“フラワー・ゴッデス”(花の女神)にしました。
ロックフェラー財団

「フラワー・ゴッデス」の作品のひとつ

 当日は2回のショーが必要でした。1回目はその森の中に創ったステージで、そして夜はロックフェラーセンターの名物アイススケートリンクで、ロックフェラー財団の関係者1000名が集まり行いました。  寝る間を削って48点もの手創りの立体の花のドレスを手掛けたのは本当に苦労尽きない作業でしたが、ショー終了後このドレス達はロックフェラーセンターの1階に展示され、45日間の間に300万人の世界中の人々に私のドレスを見ていただいた事になります。  今こうして日本で生活していますが、その時々の世界観は私の身体の中にあります。
AKEMI S. MILLER BEAUTY STUDIO

大阪の「AKEMI S. MILLER BEAUTY STUDIO」に飾ってある作品

アケミS.ミラーさんインタビュー Vol.3― 【アケミS.ミラー】 兵庫県生まれ。京都できものを学び、79年から東京で“曽根あけみ”として活動。 1989年にニューヨークに渡り、AKEMI STUDIOを設立。ニューヨークコレクションのデザイナーとして活躍。米国人の夫の死をきっかけに2013年に日本に帰国し、大阪市でフェイスデザインのメイクスクール「AKEMI S. MILLER BEAUTY STUDIO」を開校。 <TEXT、現在の撮影/studio KEIF・加藤慶>
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