――世の中「セフレがほしい」と思ってる男性って多いんですかね？ アルテイシア：恋愛相談の7割くらいがセフレ問題ですからね。 清田：セフレを求める男も依存症の一種ですよね……。いかにも遊び人のチャラ男って感じなら見分けもつきますが、厄介なのは、婚活アプリや婚活パーティにいる真面目そうな男性の中にもセフレ探しをしているヤツがたくさん紛れ込んでるってことで。婚活市場では、普通に働いていて、そんなにカッコよすぎず、パッと見誠実そうに見える男性が思いのほかモテる。おそらく、条件的に「結婚向き」に見えるからでしょう。 最初は婚活目的で登録するのかもしれませんが、何人かと関係を持つ内に婚活市場における自分の価値に気づいていくのか、モテることに味をしめ、真面目そうな風貌のヤリチンが量産されていく……。それで、そういう男のセフレ沼にハマって苦しんでいる女性がめっちゃいるんですよね。 アルテイシア：いますね。私はそういう男性を“擬態しめじ男”と呼んでいます。見た目が地味でチャラくなくて、草食系だったり誠実そうだったりするので、経験の浅い女子はしめじだと思って食べてしまうけど、実は毒キノコだった……みたいな。でもシビれはじめたらもうダメです、耳が聞こえなくなるから。 ただ、彼らは結婚相談所とかにはあんまりいないんですよ。お金が10万円くらいかかるし、卒業証明書だの源泉徴収票だの面倒な書類が必要になるから。値段があまり高くない、月額3000円くらいの婚活アプリによくいますね。 清田：「3000円くらい」って数字が妙にリアルですね。コスパ良くセフレを見つけたいってことなんでしょうね。参入障壁の低いサービスほど真面目風のヤリチンが生息していると……。 アルテイシア：でもね、その手の婚活アプリでもヤリチンブロックの方法ってあるんですよ。 清田：どうやるんですか？ アルテイシア：ヤリチンはすぐに会えそうな相手を狙うので、とにかくプロフィールを長く書いて「こういう場ですぐに会うのは怖いのでメールや電話でやりとりをしてから会いたいです」と書いておけばヤリチンははじける。 清田：なるほど！ ヤリチンはなるべくサクッとヤリたいと考えているので、あえてハードルを高くしておくことが予防策になるわけですね。 アルテイシア：そう。あとヤリチンは夜行性なので「昼間にお茶かランチを希望です」と書くのもオススメ。でももうプロフィールが長い時点で連絡してこないみたいですよ。最後まで読むのが面倒くさいから。だから「プロフィールを読んでいない方にはお返事しかねます」とか書いておくと、もっといいです。 読者の子が教えてくれたんですけど、最初試しにあたりさわりのないプロフィールにしたら一日で100件もメールがきたらしいんですよ。それを長いプロフィールに変えて面倒な断り書きも入れたら、ガクンと3日に1件まで減ったんですって。すごい減り方でしょ？ でも彼女はその3日に1件の中の一人と結婚しました。やっぱりそうやってちゃんとセグメントしたほうがいいんですよ。 清田：100人が3人になると、つい「97人も逃してしまったもったいない」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、行きつく先を考えたら、あらかじめムダな97人を弾けるわけで、むしろ合理的な方法ですよね。 アルテイシア：“ケンカに負けて勝負に勝つ”、すなわち“モテを捨ててマッチングを取る”です。そしてセックスについては、やっぱり最初の時点で相手の気持ちをちゃんと確認してからすべきだと私は思いますね。真剣に付き合えるパートナーを探しているなら。セフレって「何の責任もなくセックスできますよ～!!」と大特価セールしてしまった状態なので、そこから正価に戻すのは至難の業だから。 【清田隆之 プロフィール】 恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。WEBメディア「日経ウーマン」「messy」、雑誌『精神看護』などでコラムを連載中。桃山商事として著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』『大学1年生の歩き方』『生き抜くための恋愛相談』がある。Twitter（@momoyama_radio） 【アルテイシア プロフィール】 作家。神戸出身。著書に『59番目のプロポーズ』『恋愛格闘家』『もろだしガールズトーク』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』他。AM・TOFUFU・幻冬舎plus他のサイトで連載中。Twitter（@artesia59）／Facebook（artesia59）／ニコニコ動画「アルテイシアの相談室」 ＜TEXT／持丸千乃＞