そんなある日、日曜日にカミさんと公園の前を通りかかっていたら……。子供たちが遊んでいる片隅に、ぽーがぼーっと座っていた。
いたいたいたー!!
ここしばらく、姿を見せなかったぽーが現れた。このチャンスを逃してなるものか!
慌てて約100m離れた家に帰り、「はいるくん」を準備して車に積みこんだ。もうすでに10分が経過している。ひょっとしたらもう立ち去っているかもしれない。
ぽー、いてくれよ~!!
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緊張感なし……
……まだいた。
ぽー、お前いい奴だなあ……。
よっしゃ、ほーれこの中においしいごはんがはいっているんだぞー。カリカリを道路に置いて誘導していく。前回は失敗したが、彼にとってはおいしいご飯を食べた良い思い出しかないはずだ。
だが、野良を甘くみてはいけない。
いくら前回おいしいご飯をあげた印象の良い私でも、野性のアンテナなどが働いて危険を察知するかもしれない。ここはひとつ慎重に。そう、慎重にやらね……。
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あ……
あ、入った。
えええーっ!? なんていい子なの、ぽー。
「バタン!」と扉が閉まると、安心してご飯を食べていたぽーも、さすがにびっくりしたようだ。
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ごめんよう、騙してごめんよう……。
―やさしいねこ Vol.1ー
<文・写真/太田康介>
【太田康介】ボスニア・ヘルツェゴビナやアフガニスタン、カンボジア、北朝鮮などを撮る戦場カメラマンとして活躍。東日本大震災後は、原発周辺に取り残された家畜やペットの写真を撮るとともに、飼い主のいない猫のTNR(地域猫化)と給餌活動を続けている。ブサイクで遠慮がちな野良猫「ぽー」の心温まる物語
『やさしいねこ』を10月18日に上梓の予定。ブログ
「うちのとらまる」http://uchino-toramaru.blog.jp/