それでも、いっこうに電話も出ない、返事も来ない。サクラさんは、たまりかねて、
「付き合った時間はなんだったの? あなたと付き合ったから女優活動をセーブしてた時期もある!
事務所にも話したし、私たちだけの問題じゃないでしょ! 私の写真、週刊誌に売らないでよ!」
と追い討ちをかけました。
さらには、ヨウスケさんと繋がりのあるハイスペとたくさんの合コンをし、「自分から別れを告げたけどヨウスケから連絡が来る」などと嘘を吹聴したのでした。
ハイスペ男性はもともと、仕事で相当な労力を使います。だからこそ女性に求めるのは、楽しさや癒し。ヒステリックな女性に割く労力なんて残っていないのです。
相手にする価値がないと思い知ったヨウスケさんは、リアクションすら起こす労力を避け、すべてを無視し切りました。
復縁の可能性もあったのに…「別れぎわ」のふるまいが大切
そして彼は思ったのです。
「たしかに付き合っていた期間、自分がきちんと対応できず、さみしい気持ちにさせていた時期もあるかもしれない。別れて少し冷却期間を置いたらまた会うこともあるかもしれない――と思って別れたけど、サクラの行動は度を越している。
今まで別れた子達は、全くしつこくしてこなかった。なんていい子達だったんだろう」
ヨウスケさんの中で、サクラさんとの復縁の可能性は別れた時点ではわずかですが、ありました。
ヨウスケさんのような彼氏と別れたとき、
別れぎわもさわやかに、その後はさらに礼儀をわきまえて、お誕生日を祝ったり、遠くから見守って、見事にプロポーズされた女性も実際にいます。
しかし
サクラさんの可能性はこれでゼロ、むしろマイナスになりました。
別れ際こそ、マナーと本性が現れます。
サッパリとした対応で、毅然と姿を消せるのも、ハイスペの本命になる可能性を残す道とも言えるでしょう。
<TEXT/吉川リサコ>
吉川リサコ
コラムニスト。港区女子として最高「月間100人」の合コン経験で、多くの男女を見てきた