お次はメイク。日焼け防止も兼ねて、ファンデーションはフェイスラインから首まで丹念にぬっていませんか。これは美容の面だけではなく、印象としても逆効果。「
フェイスラインには何もぬらないほうが小顔に見える」と本書。私達はつい、顔がくすむことを懸念しますが、
フェイスラインに限っては、くすみが天然のシェーディング効果を担ってくれるのだというから驚きです。

年齢を重ねた肌には、くすみの他にくぼみやしわといった、影の部分が追加されていきます。本書の一押しは「
影は活かしてツヤを仕込む」メイク。目の周り全体のゴーグルゾーンに、パール入りのハイライト下地を仕込むのです。たったこれだけで、大人の華やかさが演出できます。
アイメイクにチークにリップ。顔には様々な「色」がのっていますが、「最終的には色も捨てるべき」と言うではないですか。「
顔にのせていいのは2色まで」と本書が掲げる新ルール。
そこで登場するのが、マルチスティック。アイメイクにもチークにもリップにも使えるカラーアイテムですね。「
断然オススメなのがコーラル系」だそうで、オレンジとピンクのいいとこどりをしたコーラルカラーは、日本人の肌にしっくりなじむのだとか。
本書には、コーラルカラーで仕上げたワントーンメイクの写真が掲載されていますが、大人の上品さとほのかな色気がただよっていてるのです。一色使いの濃淡で、ここまで素敵になれるとは、正直驚きました。
本物の美しさに、流行はありません。
「捨てる」ことは「自分を信じること」。本書を読み終えた時、そんな言葉が浮かびました。
<TEXT/森美樹>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『
主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『
母親病』(新潮社)、『
神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。
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