お腹のたるみを画像で診断。デスクでできる“ちょい腹筋”の習慣を
年齢を重ねて運動をする機会が減ってしまっていませんか。デスクワークが増えて、体を動かさなくなり、さらに仕事の後の飲み会、寝る直前の食事など、不規則な生活習慣になってきたと気になっている方も多いのではないでしょうか。
前回に続き、体の内部構造を画像上から分析し、研究を行っている世界初のプロジェクト・スタッフの国際医療福祉大学三田病院の奥田逸子准教授と東京工芸大学工学部の森山剛准教授に話を聞きました。
今回は「お腹のたるみ」に焦点を当てます。
「今までは解剖が必要で、解剖学者じゃなければわからなかったことが、ここ5、6年の間で画像が鮮明になり、体中を画像として見ることができて、確認できるようになったのです。
これまではCTやMRIは病気を診断するものだったため、体の中の構造にまで着目する人がいなかったのです。ただし画像を読みとるためには、熟練と経験が必要です。
実はお腹周りなど、年齢を重ねるにつれて、代謝も悪くなりますので、脂肪のつき方がだんだんと変わってきます。衰えたところを鍛えることによって、若々しいボディーをキープできるのです」(奥田先生)
皮下脂肪は、女性ホルモンのエストロゲンの働きによって蓄積されているため、男性よりも女性の方が蓄積されやすい特徴があります。ただし年齢とともに女性ホルモンが減少して内臓に脂肪がつきやすくなります。また、皮下脂肪は代謝が悪く燃焼しにくいという特徴があります。
皮下脂肪は内臓脂肪と比べて、すぐに健康を脅かすものではないと言われていますが、実はそうとも言えないのです。
「皮下脂肪が増えると体重も増加するため、足腰に負担がかかる、さまざまな病気のリスクが高まるなどの問題があるのです。内臓・皮下脂肪の9割は中性脂肪でできています。肥満を解消するためには、体内の中性脂肪を減少させた方がいいでしょう」(奥田先生)
中性脂肪が増えてしまうと、善玉コレステロールが減り、悪玉コレステロールが増えてしまいます。これにより、動脈硬化が促進されてしまうこともあるのです。
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「この3DCTの画像診断で自分の現状が分かり、改善点が明らかになりますよね。
例えば、筋肉はテストステロンなど男性ホルモンと関係性があると言われています。もう少し筋肉をつけた方がいいという場合、食べるものとかライフスタイルを変えていかなければならないでしょう。
今後は栄養学の分野とか運動トレーナーなども関わって、個々で対応策を考えて行くようになっていくのではないでしょうか」(森山先生)
画像診断で見ると、たるんだお腹は腹筋が薄くて皮下脂肪が厚いのがはっきりわかります。
加齢の画像診断が広まっていくと、ただ闇雲にトレーニングをするのではなく、効果的なポイントを知ることにより、生活習慣病も少なくなり、他の分野の方達にも雇用が広がっていく可能性はあります。
そこで、今回は奥田先生にお腹のたるみを解消する、いつでもできる運動を教えていただきました。
腹筋を軽く鍛えてみましょう。
①椅子に座り、姿勢を伸ばして、腹筋を意識してみましょう。
②手を腹筋に置いてみてください。
③つま先を上げて、腹筋に力が入っているのが分かりますか?この姿勢のまま、5秒数えてください。
④そして、力を抜く。
⑤もう一度。最初は5秒、慣れたら10秒頑張りましょう!
皮下脂肪を落とすには長い時間がかかるため、このような運動の習慣を生活の中に取り入れることが大切です。
皮下脂肪が増え肥満になってしまうと、脂肪細胞からエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが分泌されます。この女性ホルモンの作用により、生理不順や子宮筋腫などのほか、乳がんや子宮がんなど深刻な病気を発症するリスクが高まってしまいます。
皮下脂肪を落とすことで、女性特有の病気の発症率が高まることを防ぎましょう。
<TEXT/ジャーナリスト・草薙厚子>
