興奮するどころか笑ってしまうシーンも多いです。桃李くんがオラオラ演技をするベッドシーンがあるんですが、それまで大人しくシャイだった青年の「オルァ、いいんだろ?」みたいな名演技にこそ「ナンバーワンはすごい」と思うはずです。
突然キラキラと光を浴びながら絡み合うシーンは「昇天」を表現してるんでしょうか。そんな美しげなシーンでも、桃李くんがケモノのように女性の名前を叫んでいて、動物園で発情している動物を観ている気分でした。
『娼年』公式サイト http://shonen-movie.com/
これは1人で見に行くよりも、女同士で行くことをお勧めします。映画が終わった後のあの異様な空気は、予期せず映画館で男性向けエロビデオを見せられた女子たちの叫びでしょう。
なんでも話し合える男女なら一緒に見るのはいいと思いますが、つきあいたてとか、ちょっと遠慮があるような関係のうちはやめといたほうが無難です。めちゃくちゃ男目線なので男性は欲情するかもしれませんが、女はケモノ臭にやられて萎えそうです。映画の後に「あれをするのか」と思ったら、さっさと家に帰りたくなるでしょう。
とりあえず私は、膨大な数の濡れ場を見たにもかかわらずまったく欲情しませんでした。心も身体もカラッカラです。
レディースデーに観に行くと、終わった後に映画館を包む、見知らぬ女子同士の一体感が味わえます。1000円で桃李くんのお尻とアヘ顔を2時間堪能できます。生身の桃李くんを感じたい方にはお勧めです。ひと言でいうなら「セックスのヘタなマザコンがウリをする話」でした。
そしてこれだけの濡れ場を演じた桃李くん、今年の「抱かれたい男」の何位に入るのか、映画で見せたテクニックの評価が反映されそうですね。
<TEXT/和久井香菜子>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】