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アラーキー騒動で考える、モデルたちのセクハラ体験「昔のヌード写真とお誘いメールが…」

「女子SPA!」でもすでにお伝えしましたが、16年の長期にわたり、アラーキーこと荒木経惟氏の写真モデルをつとめたダンサーKaoRiさんの告白が話題になっています。

荒木経惟

「美術手帖 2017年8月号」美術出版社

「写真家とモデルで、恋人関係ではなかった」にもかかわらず、撮影に同意書がなかったことや、無報酬だったことも多々あったことをはじめとし、ヌード撮影を強いられた事実も含め、荒木氏との関係の実際を明らかにしました。この告白は、モデル・女優の水原希子の賛同コメントを含め、各方面に大きな波紋を呼びました。

 その後、KaoRiさんは自身のブログにて告白文の公開後の気持ちについて『これからの話。』というタイトルで投稿し、また『BuzzFeed News』によるインタビューでは、その後の荒木氏とのやり取りについて、4月10日に電話をしたものの、荒木氏はブログを読んではいたが謝罪などはなく、話し合いに至らず電話を切られた旨を述べています。(https://www.buzzfeed.com/jp/akikokobayashi/kaori?utm_term=.ofogYGD8b#.nfbLOlwRp)

 現時点(4月18日)にいたるまで荒木氏サイドからコメントは出されていないため、事実関係は不明のままです。


やりがい搾取?アートに“貢献”してると思ってしまう



 撮影モデルだけではなく美術モデルにも、報酬や権利、またパワハラ・セクハラなどの問題があると聞き、元・美術モデルの吉村詩織さん(仮名・31歳)にお話を伺いました。

 美術モデルといえば、画家のアトリエや美大、カルチャーセンターの絵画教室などで、裸でジッとポーズをとるお仕事ですが、写真撮影に応じることもあるのでしょうか。

「美術モデルにも1時間、3万円で写真撮影が出来るオプションがあって、やるかやらないかは本人次第なのですが…二十歳そこそこで美術モデルをやるような女の子は、写真モデルをやる事で自分がアートな自己表現をしていると感じる場合がほとんど。あまり警戒心を持たずに引き受けてしまいがちなんですよね」

絵画アトリエ KaoRiさんも告白文の中で、ダンスパフォーマンスの撮影が長時間であったにもかかわらず、報酬が無かったことも多々あったこと、にもかかわらず“貢献していると勘違いして勝手にがんばってしまったのも、私”として、荒木氏に“アーティストがお金の話をするのは恥ずかしい。それを乗り越えてこそいい表現ができる。と言われ何も言い出せなく”なってしまった過去を振り返っています。

 美術/写真モデルの表現・アートに対する“やる気”にもたれかかって、結果的にモデル側が搾取されてしまうことも起こりがちなようです。

 実際に1度だけ荒木氏の写真モデルをつとめたという梅元優子さん(仮名・36歳)によれば、報酬はもらえたけれども、撮影された写真がいつ・どこで・どんな形で発表されるかや、その後の販売方法等についての連絡はなく、梅元さんの写真を偶然見た知人から知ったそうです。

 とはいえ、当時、都内の美術大学の学生で身体表現の世界に足を踏み入れ、アーティストして生きると決めていた梅元さんにとっては、荒木氏という著名な写真家に撮影されることは自身の度量が試される機会でもありました。撮影が終わった後に「身体表現の面で、自分はもっともっと頑張れたのではないか?」と反省したと言います。

写真モデル

写真はイメージです(以下同じ)

 美術に関わる人々、とくに無名な若者の多くに、作品作りに「貢献する」意識や「この体験が勉強になる」という意識が強く、その見返りには重きを置かないという価値観が共有されているようです。

 15年以上経過し現在は美術とは異なる世界で生きる梅元さんに、後悔はないかを尋ねてみたところ…

「自分の写真はヌードではあるものの、エロティックな文脈の写真ではなかったので後悔はないですね。もしエロスを前面に出した写真だったらまた違ったかもしれませんが…」と語っていました。

モデル引退後に裸の写真と共にメールが



 KaoRiさんは先の告白文の中で、“フリーランスのモデルさん、好奇心だけでちょっとやってみたいと思う人”が増えている現状について、そういった人々に向けて“どれだけ仲のいい関係であっても、お互いが納得できる契約書を作ることを妥協しないでください。それから、モデルがどんなに頑張っても、撮られてしまった写真は写真家の「モノ」になる。ということは肝に命じて”と助言しています。

 前出の吉村さんによると、知人の美術モデルで、写真撮影のオファーを何件か受けた人がいたそうです。

写真撮影「その子が美術モデルを辞めて2、3年経ちすっかりそんな事を忘れた頃に…昔写真を撮らせた人から突然『N子ちゃんの写真出てきた! 懐かしいなぁ…久しぶりに食事しない?』と裸の写真と共にメールがきてゾッとしてしまい、その時に初めて後悔したって言っていましたね。

 当時は自己表現のつもりで裸の写真を撮らせていたけれど…何年か経って弱味を握られているような形になってしまい凄く恐がっていました」

 その後、何度かメールでやり取りをして食事に行く事は免(まぬが)れましたが…いつまた誘われるか分からないし、よく分からない相手が自分の裸の写真を持っているという事実は変わらないので、不安で眠れなくなってしまい体調を崩してしまったんだとか。

「美術モデル事務所が紹介してくれた仕事だからと安心しないで、本当に信用できる相手なのか自分で見極めないといけませんね。写真はずっと残ってしまうし、ネットにばら撒かれる可能性もありとても危険です。

 自分がいくら芸術だと思っていも、悪用されたり、裸の写真をネタに脅される危険だってあるから、注意しないと…取り返しのつかない事になってしまいます」

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多発するセクハラ、抗議したら暴言も…

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