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離婚の危機に浮気の予感…男性誌の「着回しストーリー」が想定外すぎる|辛酸なめ子

いまどきの男を知る会 ファイルNo.12 男性ファッション誌】 imadokiotoko_banner 女性誌でたまに見かける「着回しストーリー」は、キラキラOLが主役となっていることが多いです。  例えば最近だと『Oggi 6月号』。巻頭の最新アイテム紹介ページからストーリーが展開していて、「部下とランチミーティング。ツイードのクラス感で頼れる先輩らしさを出して」と素敵な写真にデキるOL風のモノローグが。  また、「1cmヒール」の記事では、来日アーティストのライブに行ったり、プレミアムフライデーに友人とホムパをしたりと、リア充ライフが綴られていました。 『with 6月号』の「上品ベーシック派OL聡子の30日」では、損保OLとイラストレーターという二つの顔を持つ(非現実的な気も……)聡子が主人公。彼女は本当に幸運体質で、ソファでゴロゴロしていたらインスタのDMに仕事依頼が来て、女友達とピーチのカフェに行ったりイケメンとデートしている合間に仕事したらクライアントに褒められ、さらに密かに応募していたイラストのコンテストで大賞を受賞。そうこうしている間に彼からプロポーズされるという、素晴らしい人生を謳歌しています。  基本的に、ポジティブなストーリーが多い印象。ストーリーが潜在意識に刷り込まれ、引き寄せの法則で運気が高まりそうです。フィクションなのに、<こんな適当に仕事してイラストなめんな!>とか苛立ってしまったら、幸運にあやかれません。

アルマーニのスーツで妻と今後の話し合い

 女性誌の着回しには憧れが詰まっています。ただ、男性誌の場合はひと味違うようです。ツイッターでも話題になった『OCEANS 6月号』の「部長びんびん“着回し”物語」は、想定外のストーリーでした。  この“びんびん”物語というワードが刺さる年齢層がなんとなく予想できますが、主人公は40代後半と思われる、大手総合商社で繊維担当の部長職を務めるユースケ。現在は省庁管轄の業務に関わっている、と設定が具体的。仕事は順調なものの、妻と別居状態だそうです。  そんなユースケのDay1は、口角下がりまくりの暗い表情で、離婚相談のため弁護士事務所を訪問。「足取りは重いけど、とりあえずブレザー羽織ってさ」と、自分に言い聞かせるようなモノローグが。  Day3は娘が様子を見に来てくれて嬉しそうですが、Day8はエンポリオ・アルマーニのスーツで妻と今後の話し合い。友人の家に泊まってサーフィンし、出張に出るなど、家族関係以外は充実しているユースケですが、もしかしたらこんな風に自分の予定で忙しく、家族を顧みなかったのかもしれません……。  Day13は霞ヶ関でのプレゼンの帰り、雨に降られて咄嗟にジャケットで部下(美女)をかばい、良いところを見せます。妻との話し合いに着て行ったハイブランドの27万円スーツよりもかなり安い3万4000円のジャケットだからできる行動なのかもしれません。実は計算高い男説が。  Day18は「いきなりステーキ」でランチ。肉マイレージカードはゴールド、とまたもや設定が細かいです。Day23は雨宿りした部下のなつき(と、部下を名前で呼ぶのもどうかと思いますが……)から誘われ、うどん屋で食事。いい感じになっています。そしてDay30では突然、「決めた。カミさんに謝ろう」と思い、食事をして指輪をプレゼントしたらあっさり和解。また家族4人で暮らせることになりました。 ……と、出だしは不穏でしたがハッピーエンドに。ただ、いい感じの部下と浮気しそうな予感もあり、また一波乱起こりそうです。
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“男の嫉妬”を避けている?同情に訴えかける男性誌
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