昔話・はた織り姫の“たたり”は、仕事を邪魔された女の怒り
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――弥十はその美しい絹にふらふらと吸い寄せられていった。こんなもの今までみたことがない。興奮して思わず機織姫の方を掴む。
信じられない、マジでイケてますね! どこからインスピレーションを? 門外漢の意見だけど、ここはもっと流れのある構成にした方がよくない? こういう風にした意図をきいても? 一緒に何かできれば嬉しいな。一番最初に織ったもの、見てみたいな。
素晴らしい意匠の前に、興奮は尽きず夜が更けていく。朝日が昇り、心配した家族の下にぼろぼろに疲れ果てた弥十が帰ってくる。彼の手には二人が意気投合して作ったたくさんの意作品があった。どのどれもがこの世のものと思えないほどエポックメイキングなのだった。
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<TEXT & ILLUSTRATION/はらだ有彩 EDIT/森聖児>
【はらだ有彩 プロフィール】
テキストレーター(テキスト/テキスタイル/イラストレーション)。2014年に、テキストとイラストレーションをテキスタイルにして身につけるブランド「mon.you.moyo」を開始。「She is」他ウェブマガジンにエッセイを寄稿。 1
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