遺骨を海にまく散骨を体験。明るい「船上お別れ会」も
ひとりひとり順番に、遺骨と、花びらをひとつかみ、海にまいていきます。
海の泡に呑み込まれていく遺骨を見つめながら、人も最後は自然に還るのだとしみじみとした気分になり、海面で美しくただよう花びらを見つめながら、あんな風に優雅には生きられないけれど、まだまだこっちの世界で頑張るから、あっちの世界から見守って! とひそかに誓ってしまいました。体験だというのに、ここまで気持ちが入ってしまうなんて。
散骨が終了すると、船はUターンし、私達もしばしの休憩へ。陽もやや陰り、海の色も若干暗くなっています。
体験とはいえ、やはり緊張するのでしょうか。気がつけば空腹感におそわれ(船酔いしたせい?)、身体もグッタリ。と、そこへデザートが運ばれてくるではないですか。新鮮な果物やコーヒーゼリーやプチケーキ。ちょっとしたホテルのバイキング並みですよ。当然、ドリンクもおかわり自由。
参加者全員で舌鼓を打ちつつ、質疑応答タイム。遺骨で作ったダイヤモンドの指輪やネックレス、写真たてと一体化した遺骨入れなど、スタッフの方に見せてもらいながら、死をポジティブに分かち合う大切さを知りました。
お墓や仏壇など、昔ながらのセオリーにのっとって行わなくても、本人(故人)と残された人々が幸福なら、どんな形でもいいのではないでしょうか。
死を思うからこそ、今、生きていることに感謝できるのです。わずかな時間でしたが、死生観を問われるような貴重な体験でした。
<文/森美樹>
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今はお墓や仏壇の他にも、様々な選択肢がある
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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