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『あな家』不倫バトル終結。「結婚したら安心」という考えが危ない理由

自分をどこまで通すか?夫婦の適度な距離感

 パートナーシップとは何だろう。辞書には「提携、協力」とあるが、夫婦間でこの言葉を使うときのニュアンスは多少違う。互いを尊重しあい、大事にしながら自分をも活かす関係、のような気がする。  言葉で言うのは簡単だが、ふたりのオトナがいればそこに力関係が生じてくるのもまた自然の摂理。かつては、自分が一歩下がりながら手のひらで男を遊ばせるのがいい女の条件のように言われていた。だが、そんな関係、嘘っぱちだと今の女性たちは感じている。夫のために自分が我慢することを美徳とは思えなくなった時代なのだ。  だからといっていつでも本音をさらけ出せば、いい関係が作れるわけでもない。どこで譲ってどこで自分を通すのか。夫婦間でも非常にむずかしい問題である。「結婚なんて運と相性」とかつて言っていた女性がいるが、もはやそれだけでは語れない時代だとつくづく思う。  ドラマの終盤、居酒屋のカウンターで元夫である秀明と一緒に飲みながら、真弓が言う。 「今はこの距離がいい」  椅子が少し離れている。手は届くが密着はしない距離感。結婚しているときも、そんな微妙な距離感が保たれれば、この夫婦はうまくいっていたのかもしれない。  婚姻届を出した瞬間から、「相手が自分のものになった」という感覚を得る人は少なからずいると思う。だが、そこがすべての間違いの元なのかもしれない。本当はそこから自分たちにとって心地いい距離感を作るべきなのだ。届はあくまで社会体制上のものであって、婚姻届を出したからといって、いきなり相手のことが理解できるわけでもすべてすんなり受け止められるようになるわけでもないのだから。  結婚したんだから安心なわけではない。そこからがふたりの新たな関係の始まりであり、どちらかがいつ裏切ることになるのかわからない状況が始まったともいえるのだ。新婚のふたりにとって、そんな危機は想像できないし、したくもないことではあるが。  バツイチの私は思う。やはり「婚姻届を出す」のは、人の思考を鈍らせ狂わせるのだ、と。 <文/亀山早苗> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【亀山早苗】 フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数
亀山早苗
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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