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「いつか普通になるよ」という親切な言葉が痛い<発達障害のリアル>

ぽんちゃんのペースが、ぽんちゃんの“普通”

 そんな表情を見ていると、毎日先のことをもやもや考えている自分がばからしくなる。この子は毎日楽しく過ごしているのだ。それなのに、私がヘコんでいても、何もいいことはない。それなら、ぽんちゃんの歩幅で、ゆっくり、私が歩いていけばいいだけの話。そう頭を切り替えた数日後、2歳と1カ月で、ぽんちゃんはいきなり歩くようになった。何の前触れもなく、むくりと起き上がり、一歩、そしてまた一歩とふらふらしながら歩きだしたのだ。 ぽんちゃん とんだマイペース! 自由かよ! 思わず涙が流れてしまうママを横目に、「パチパチ」と手をたたいて楽しそうにしているぽんちゃん。そうだ、ぽんちゃんは、ぽんちゃんなりのペースで歩いている。それが、ぽんちゃんの“普通”なのだ。 <文/吉田可奈 イラスト/ワタナベチヒロ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【登場人物の紹介】 登場人物の紹介息子・ぽんちゃん(8歳):天使の微笑みを武器に持つ天然の人たらし。表出性言語障がいのハンデをもろともせず小学校では人気者 娘・みいちゃん(10歳):しっかり者でおませな小学5年生。イケメンの判断が非常に厳しい。 ママ:80年生まれの松坂世代。フリーライターのシングルマザー。逆境にやたらと強い一家の大黒柱。 【吉田可奈 プロフィール】 80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。著書に、女子SPA!での過去の連載をまとめた『シングルマザー、家を買う』がある。Twitter(@singlemother_ky) 【ワタナベチヒロ プロフィール】 漫画家、イラストレーター。お金にまつわる役立つ知識をオールマンガで1冊にまとめた著書『お金に泣かされないための100の法則』(ファイナンシャルプランナー山口京子先生が監修)が主婦と生活社より発売中。
吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、出版社に入社、その後独立しフリーライターに。音楽雑誌やファッション雑誌などなどで執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。長男に発達障害、そして知的障害があることがわかる。著書『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』Twitter(@knysd1980
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