結婚式場の見学で4時間も“監禁”されて…強引営業にのけぞった
「豪華な対応をしてもらった以上、簡単に『帰ります』『辞めます』とは言えず、夫が『家に帰って考えたいです』と言うのが精一杯でした。
しかし、それを聞いたスタッフは『ちょっと待ってください』と奥の小部屋に消え、数十分後に戻って来て『今決めれば40万円の割引をしてもいい、と上司が言っています』と言ったんです」
衝撃の割引価格です。
「ですよね。でも、このやりとりが何回も続いて、最終的には90万円割引になりました(笑)。」
なんとこのやりとりは3時間も続いたといいます。
「『家に帰って考えたい』と言うと『上司と相談するから待ってくれ』と言われ、しばらく待たされ、再度説得をされるというのを繰り返しているうちに『今日、前金を10万円入れてくれれば、90万円の割引は有効にします』と言われたんです。疲れ果てた夫は『払おう!』と言い出しました」
その後、どうなったのでしょうか。
「私も相当疲れていたんですが、婚約指輪もケチった夫が、10万円払ってこの場を収めようとしたのが許せなくて、ケンカになりました」
さえさんによると4時間にわたる監禁で、イライラもピークになっており、大ゲンカに発展したそうです。
「私が『婚約指輪はケチるのに、ここでは簡単に10万円出せるんだ!』とブチギレ。夫は夫で『式場見学に無理やり連れてきたのはお前だろ!』と応戦し、ケンカはヒートアップ。ケンカをとめに入るスタッフにも苛立ち「うるさい!」と叱りつけていました」
式場見学が一転してとんでもない事態になります。
「最後には怒り狂った私が『もういい! 帰ろう!』と強引に扉をこじあけ、パンフレットや契約書も『いりません!』とはねのけて出てきました」
どうやらケンカによって事態は収拾したようです。
「あのとき、ケンカをしていなかったらおそらく10万円を払っていましたね。クーリングオフができるんでしょうけど、キャンセルしても前金は戻ってこないと契約書には書かれていました」
全ての式場見学がこのような対応ではもちろんありません。しかし、式場見学のトラブル事例が散見されるのも事実です。「甘い言葉や強引な勧誘におしきられて、当日契約を結ばない」など式場見学に行く際は、事前にルールを決めておくといいかもしれません。
一生の思い出になるイベントだからこそ、冷静に判断して素敵な思い出をつくりたいものです。
―「結婚」泣き笑いエピソード vol.7―
<文/瀧戸詠未 イラスト/ワタナベチヒロ>

「10万円払おう」と言い出した夫に、怒りが爆発!

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