浜崎あゆみ、ISSA…このタトゥー消せる?高須院長に聞くタトゥー除去法
ファッションの一部として、身近になったタトゥーやアートメイク。でも、いまだ温浴施設やプールで「刺青(いれずみ)・タトゥーお断り」のところはあるし、「子どもと一緒にプールに行けない」などの理由で“若気の至り”を消したい……と希望する人も多いそうです。
「タトゥーは入れるのは簡単でも、消すのは大変」ともよく言われるけれど、実際のところはどうなのか。診療科目に「タトゥー除去」もある高須クリニック・高須克弥院長に聞きました。教えて、かっちゃん!
――「若い頃に入れたタトゥーをやっぱり消したい」と訪ねてくる人は多いですか?
高須「うん。結構いるね。タトゥーはずっと残るものなんだから、本当は“年をとった後”まで考えなくちゃいけないんだけど、ふつうはそんな先のことなんて考えないじゃない?
当時つきあってた彼氏の名前やイニシャルを彫っちゃったけど、その後別れちゃった……なんてケースもよくあるよ」
――あるある、ですね……。
高須「あと女性の場合は、一番大変なのは子どもと海やプールに行きにくいことみたい。
ママ友に誘われても、断る口実をつくるのに苦労するという話をよく聞くね。堂々と見せて、『わたし、コレがあるからダメなの。代わりに連れて行ってくれる?』と頼んじゃえばいいんだけど、やっぱり難しくて『なんとかタトゥーだとわからないようにしてほしい』『タトゥーをきれいに消してほしい』と相談に来る」
――「タトゥーは入れるのは簡単でも、消すのは難しい」とも聞きますが実際はどうですか?
高須「うーん。ものによって違うね。
例えば、昔ながらの日本の刺青は肌の深い部分にまで墨をしっかり入れていくので、一般的にはタトゥーより消しづらいと言われるけど、タトゥーなのに肌の奥まで色が入っちゃってることもあるので何とも言えない。
あとは、タトゥーを入れてる場所や範囲にもよってもずいぶん変わるよ」
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<そこで、以下5人のタトゥー写真を例に、解説してもらいました>
①浜崎あゆみ:右肩にハート+翼、腰にハート+流れ星
②安室奈美恵:腕に、母への追悼メッセージや息子の名前。最近の写真にはなく、すでに除去したと言われている。
③土屋アンナ:太もも・わき腹・腰などに、大きくカラフルな鳳凰・蓮・蛇といったモチーフ
④ISSA:両腕や上半身に、びっしりと絵や文字が入っている。下半身は不明。
⑤ディーン・フジオカ:右腕の裏にライオン(?)のような絵
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――この中で一番、消しやすいタトゥーは?
高須「安室奈美恵さんのタトゥーかな。これなら何回かレーザーを当てれば消せるでしょう。繰り返しレーザーを照射すると、色素が分解されて少しずつ色が薄くなっていく。腕はわりあい消しやすいんですよ。ディーン・フジオカも腕だから消しやすいね。
一般的なレーザーは黒に反応するんだけど、赤でも黄色でもフルカラーに反応する『ピコセカンドレーザー』という最新マシンがあって、カラフルなタトゥーの場合はこれを使うね」
――ISSAさんや土屋アンナさんみたいに、あちこちに大きいタトゥーがある場合はどうですか?
高須「範囲が広い場合は皮膚の表面を削る『剥削』(はくさく)か、皮膚移植かな。太ももや背中、お尻など目立たない場所から皮膚を切り取って、移植することで、タトゥー部分を覆い隠しちゃう。
こちらは範囲も大きいから、まったく目立たなくするわけにもいかなくて、やけどの跡みたいになる。それを覚悟の上でやります、という人もいるけどね」
タトゥーの場所や範囲で消し方が違う
浜崎あゆみのタトゥーが消しにくいワケ
高須「逆に、浜崎あゆみさんみたいに肩に入れちゃうと面倒。レーザーでうまく消えない場合は、皮膚を切って縫い縮める『切除縫縮』(せつじょほうしゅく)という方法をとるんだけど、肩は二の腕と違って皮膚に“余り”が少ないので、この方法が使いづらい。太ももみたいに、皮膚をつまめる場所は切って縫えば、一本の傷ができるだけで済む」
ISSA、土屋アンナ級は剥削か皮膚移植が必要
――レーザー治療でタトゥーを消す場合、何回ぐらいレーザーをあてるものですか。 高須「もともとのサイズによっても違うし、あと“目指すゴール”によっても変わるね。『他人の目から見てタトゥーだとわからない程度に色が薄くなればいい』という場合は数回で済むけど、人によってはそれでは満足できなくて、もっとレーザーを当てたいという人もいる。 『徹底的にタトゥーを消したい』のであれば、いっそのこと、切って縫い縮める方法のほうが合ってるしね。そのあたりは施術を受ける前に、しっかり主治医と相談したほうがいいよ」
============================== おさらいすると、タトゥー除去の方法は、①レーザー ②切除縫縮 ③剥削 ④皮膚移植。 眉毛やアイラインに入れたアートメイクも、レーザーで除去できるそうです。 とりあえず、入れる時も消す時も、じっくり考えてからにしましょう! <取材・文/島影真奈美> 【高須克弥氏・プロフィール】 1945年生まれ、医学博士。高須クリニック院長で美容外科の第一人者。最新の美容技術を、自ら試して普及することでも有名。近著は『ダーリンは71歳 高須帝国より愛をこめて』、『炎上上等』、続編で最新刊の『大炎上』など ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
高須克弥
【プロフィール】
1945年生まれ、医学博士。高須クリニック院長で美容外科の第一人者。最新の美容技術を、自ら試して普及することでも有名。近著は『ダーリンは71歳 高須帝国より愛をこめて』、『炎上上等』、続編で最新刊の『大炎上』など