本書には「繰り返し浮気をしてしまう夫の本音」として、10年前の『STORY』特集テーマ『モテ夫の泳がし方』に、浮気夫として登場した男性のインタビューが掲載されています。
興味深いのが、浮気に対する罪悪感の温度差。この男性は「子供の時に親が隠していたおやつをこっそり食べちゃったとか、親の財布から小銭を抜いたとか、
『家の中の悪さ感覚』レベルの罪悪感」だというのです。妻側としては、この意見だけでも怒り心頭になりそうですね。

さらに「モテていた時代がある男は浮気する」「男は女の子から好きって言ってほしい」などの持論を展開。読んでいると、浮気をするタイプの男性はきっと何を言っても止められないのだなと絶望的な気持ちになってきます。すると彼は、「
すごくきれいな奥さんがいても男は浮気する、奥さんは自分が至らないとか思わないほうがいい」とナゾのフォロー。
結婚し、やがて子供が生まれると、妻は母の役割ができ、夫に関心がいかなくなりがちですよね。そのことについては「自分に向いてくれる人がいなくなるのが嫌。もっと関心持ってほしい」と気弱な本音が。妻が想像するよりはるかに、夫のさみしさは募るのでしょう。夫の浮気は必ずしも、妻を嫌いになったり、関心がなくなったりして起こるものではないようです。
夫婦でも、お互い思い通りに行動しないのは当たり前。問題が起きたとき、離婚も選択肢のひとつですが、改めて「夫婦のしあわせ」を模索したくなる、そんな一冊です。
―
小説家・森美樹のブックレビュー―
<文/森美樹、女子SPA!編集部>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『
主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『
母親病』(新潮社)、『
神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。
X:@morimikixxx