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発達障害“グレーゾーン”の子どもが急増中。悩む親に寄り添う「放課後等デイサービス」

 障がいのある子どもを預かる「放課後等デイサービス」をご存知でしょうか? 生活能力向上やコミュニケーションを学ぶ場として、サービス開始の2012年から事業所数が急増。施設数は全国に9385、利用者は約15万5000人に上ります(2016年時点、厚生労働省調べ)。その背景として、集団行動が苦手な子でも安心して過ごせると利用者が増えた一方、開設の条件が緩いことも理由の一つのようです。

あいだっく

放課後デイサービス「あいだっく」

 このような放課後等デイサービスですが、最初期にできた施設の一つであるのが「あいだっく」。施設の概要や利用する子どもたちの様子をレポートした前回に続き、今回は放課後等デイサービス運営の現状や今後の課題について、あいだっく代表の上田宏樹さんに話を聞いてきました。

できることが増えると、子どもはどんどん明るくなる


 あいだっくが最初の施設となる「アトリエあいだっく」を東京都中野区に立ち上げたのは、平成24年。国や自治体が運営する施設だけでは手が回らず、障がいを持つ子どもがもっと身近な地域で支援を受けられるよう、児童福祉法の一部が改正されたタイミングだったといいます。

「『行き場のない子どもたちの居場所をつくりたい』という思いで施設を始めましたが、当時はまだ放課後等デイサービスの数が少なく、利用者が自分に合う施設を選ぶことができない、本当に選択肢の少ない状態でした。そこで、利用者がもっと好きなことや得意なことを選択できるよう、絵や造形を楽しむ「アトリエあいだっく」に加え、音楽やパソコン、スポーツなど幅広いジャンルに特化した施設を増やしていったんです」

上田宏樹さん

あいだっく代表の上田宏樹さん

 立ち上げから6年。いまではあいだっく以外にもバラエティ豊かな体験ができる施設が増えており、障がい児童を取り巻く環境はかなり改善されてきているとか。

「やっぱり、興味を持てることに取り組み、できることがひとつふたつと増えていくと、それが自信となって子どもはどんどん明るくなっていくんですよ。ただ、どの施設もなかなか広報活動にまで手が回らず、サービスを必要とする方々に広く知られていないという問題もあります。そのため、あいだっくでは福祉サービスの利用を考えている方への相談支援として、最適な施設を探すお手伝いもしています。あいだっく以外の施設も含め幅広い提案をしているので、ぜひ気軽に相談してほしいですね」

 しかし、放課後等デイサービスの急増は必ずしも良い面だけではありません。

「TVを見せているだけ」「おやつを食べさせるだけ」「意図なく子どもに怒鳴りつける」など、ただ子どもを預かるだけだったり、中には虐待まがいの行為が行われている施設も存在します。こういった悪質な施設を選ばないよう、専門家に相談したり、施設の見学などはしっかりと行いましょう。

“グレーゾーン”の子どもが増えている


 相談を受けるにあたり、障がいの種別や障がい者手帳の有無は問わないとのこと。「うちの子は手帳を取得していないから無理だろう」とあきらめることはありません。

「最近は障がいの認定を受けていない、いわゆる“グレーゾーン”の子どもの利用が増えています。『普通級にいると他の子に比べて落ち着きがない』『学校や友達に馴染めないけれど知能の遅れはあまりない』という程度だと、障がい認定を受けることに抵抗を感じる親御さんが多いでしょうし、その気持ちもわかります。もちろん、手帳を取得されているほうが利用のための申請等はスムーズですが、相談支援員がしっかりとヒアリングしたうえで手続きを進めるので、心配は無用です」

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4月より事業の新規指定に制限が…

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