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日給4万円のベビーシッターがいる!アメリカの驚きの育児事情

 シャーリーズ・セロンが18キロも体重を増やして3人のママ役に挑んだ話題作『タリーと私の秘密の時間』が8月17日に公開されます。  子供のお弁当作りや送迎、そして赤ちゃんの世話に日々、心身ともに消耗しているママの姿は、アメリカでも同じよう。同時に、本作に見る育児事情は日本とは異なる部分もあります。今回は、本作の見所とともに、アメリカの驚きの育児事情を紹介します。

出産後の入院期間が短い

『タリーと私の秘密の時間』より

『タリーと私の秘密の時間』より

 2人の子供を抱えて会社の人事部で勤務するマーロ。彼女の3人目の出産から物語は始まります。アメリカでは経膣分娩では2日間、帝王切開でもたったの4日間しか入院期間がなく、マーロもお産を終えてすぐに赤ちゃんと帰宅します。  3人目の子供は娘のミア。一人目の娘サラ(リア・フランクランド)は小学生であまり手がかかりませんが、2人目の息子ジョナ(アッシャー・マイルズ・フォーリカ)は音に敏感だったり、こだわりが強かったりするなど、育てにくい一面も。
『タリーと私の秘密の時間』より

『タリーと私の秘密の時間』より

 夫のドリュー(ロン・リヴィングストン)は彼なりに育児を手伝っているつもりですが、赤ちゃんが夜泣きしても、マーロの代わりに起きて授乳(哺乳瓶でもできますよね!)をすることなど思いつきもしない……。

保育園/幼稚園代が月20万円になるケースも

 疲労困憊している体を引きずって育児と家事を黙々とこなすマーロは、ある日、ジョナの校長に呼び出され、ジョナには情緒不安の疑いがあるからヘルプの先生を自費で雇うか、もしそれができないなら転校することを勧められます。
『タリーと私の秘密の時間』より

『タリーと私の秘密の時間』より

 アメリカの保育園事情は日本と異なり、0歳から入れるデイケア(保育園)と3歳から入れるプリスクール(幼稚園)があります。そして、州によって多少異なりますが、一般的には5歳からの1年間は小学生準備クラスであるキンダーガーテンに通い(小学校に併設されていることが多いです)、6歳から義務教育の小学校に入学します(5歳から義務教育の州もあります)。作中、サラとジョナが通っているのはプリスクール、キンダーガーテンと小学校が一緒になった私立の一貫校。裕福なマーロの兄のコネで、やっと入学できた学校です。  物価の高いNY州の私立のデイケア、プリスクールやキンダーガーテンは、毎日フルタイムで子供を預ければ、月20万円以上するのだとか。経済的に無理な家庭は、教会が運営しているデイケアや低所得者用の公立のデイケアなどを利用していますが、数が圧倒的に少ないそう。公立校だと5歳のキンダーガーテンから高校までは無料になりますが、0歳から4歳までの学費は日本と比較にならないほどの高額なのです。  ちなみに、保護者が自費で先生を雇用するなんて日本では聞いたことがありませんよね? でも、アメリカの私立校なら珍しい話ではありません。私立校では例え幼稚園レベルであっても、学力レベルや校風が合わない生徒は、親がなにかしら補助をしないと退学や転校を勧められてしまうこともあります。

子供の体をブラッシングするセラピーがある

 ただでさえ、子供たちを高額な学校へ通わせているのに、先生を自費で雇うなんてあり得ない。そもそも、ジョナに情緒障害があるのどうか、精神科医でさえ分からないのに……。そんな精神的ストレスで疲れてきっているマーロは、効果があるのかも分からないまま、毎晩ジョナをブラッシングします。  劇中、マーロがジョナに施すブラッシングは「ウィルバーガー・プロトコール」と呼ばれ、自閉症スペクトラムや感覚過敏の症状がある子供に対して行われる感覚セラピーです。例えば、触られることを非常に嫌がる、次の行動に移るのが苦手である、などの症状がある子供が対象。プラスチックの専用ブラシで、繊細な顔、胸、お腹以外のエリアを腕から足まで2~3分ほどかけてブラッシングします。  現時点でこのセラピーの効果は科学的に証明されていませんが、多くの自閉症スペクトラムの子供が、集中時間が長くなったり、次の行動に移りやすくなったり、触られることを嫌がらなくなったりしたという報告もあるそう。(※1)
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8月17日(金) TOHOシネマズ シャンテほか、全国ロードショー
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