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6kgのランドセル、増える宿題…疲れた小学生は、“置き勉”で楽になるか?

 小学生の重すぎるランドセル問題を解消すべく、ついに文部科学省が動き始めました。
 毎日すべての教科書を持ち帰るよう指導していた学校に対して、宿題で使わない分は教室に置いて帰る“置き勉”を認めるよう、文科省は近く通知を出す方針です。

置き勉とランドセル“脱ゆとり教育”以降、教科書のページ数が増えたせいで、1週間で最も重い日にはランドセルを含めて平均6kgの荷物を抱えて登下校しているという子どもたち(ランドセルメーカーのセイバン調べ ※1)。

 その結果、首や腰を痛めてしまい、健康にまで悪影響が及んでいるのだそう。接骨院で治療を受ける小学生の姿を報じるニュースもありました。

宿題も増えて、忙しくなっている小学生


 こんな子どもたちの姿を見て、“私たちのころって、こんなに大変だったっけ?”と思うお母さんもいると思います。実際のところ、どうなっているのでしょう。

 そこで調べてみると、荷物が重いのに加えて、学校が終わっても気が休まる暇のない小学生の姿が浮かび上がってきました。

 ベネッセが2016年1月に発表した「第5回学習基本調査 ※2」によると、2015年、小学5年生の自宅での学習時間は平均95.8分。これは2001年とくらべておよそ25分も多い数字。
ベネッセ学習基本調査

グラフ:ベネッセ学習基本調査リリースより

 そして95.8分のうち宿題に割くのはおよそ50分で、つまり半分以上が宿題のために費やされているわけです。

ベネッセ学習基本調査2

グラフ:出典同上

 これに、宿題で使う以外の教科書も持ち帰らなければならない身体的な負担も加わる。小学生にとって、ランドセルはいろいろな意味で“重たい”と言えそうです。

 これは日本だけの現象ではなく、アメリカでも同様の問題が論じられています。CNNが2015年に報じたところによると、教育専門団体「NEA」やPTAがすすめる3倍もの量の宿題が課せられているというのですね。

 さらに多すぎる宿題は家庭にもストレスをかける要因にもなっているというから深刻です。高い水準の教育を受けていない親ほど宿題を手伝ってやれず、そのせいで子どもや夫婦間でケンカが起きてしまうケースが見受けられるといいます。
 毎日のように学校から持ち帰る大荷物は、別の意味で家族にとっての負担になっているというわけです。

勉強は「お金持ちになるため」と答える小学生が急増


 それでも健気な小学生。先ほどのベネッセの調査によると、「学校での勉強は何の役に立つと思いますか?」との質問に対して、「お金持ちになるため」「会社や役所に入って出世するために」という回答が2006年に比べて約10ポイントも増えているのです。
 もちろん自分の考えもあるのでしょうが、小さいころから親に言い聞かせられてきたのだろうなと思うと、ちょっと切なくなりますね……。

宿題 その一方で、「もっとゆっくりすごしたい」と感じる小学5~6年生は74.2%にのぼるとの調査結果(ベネッセ第2回「放課後の生活時間調査」、2014年)もあり、現代の子どもたちの逃げ場のなさをうかがわせます。

 宿題や家庭学習が終われば、スマホで友達と連絡を取り合う。そしてまた翌日にはその友達と顔を合わせ、授業を受ける。こうしたルーティンの中で、子どもたちは家に帰ったようでいて、心の底からリラックスした実感を得られないまま翌日を迎えているのではないでしょうか。

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忙しい毎日が、子どもから奪うものとは

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