めまぐるしい毎日の中で、時短のため重宝するのが加工食品ですよね。もちろん手作りのほうが栄養価も高く、身体にも良いのは承知の上。それでも
加工食品に手が伸びる理由は「しっかりと調理をするための時間が取れないこと。調理技術がなくなってしまったこと」と本書は指摘。
だったら、短時間で手作りできて調理技術が不要で、おいしいメニューができればいいのに、と思いますよね。そんな問題をクリアしたのが、本書が推奨する最新調理器具の数々でした。勝間和代さんのお気に入りは、「
ホットクック」と「
スチームコンベクションオーブン」だそうです。

シャープ ヘルシオ(HEALSIO) ホットクック 水なし自動調理鍋 2.4L 大容量タイプ レッド KN-HT24B-R ※Amazonより
「ホットクック」は電気鍋で、自動メニュー機能が搭載されており、材料を投入してスイッチオンで設定したメニューが完成。お値段は「3万~6万」。「スチームコンベクションオーブン」は、スチーム(蒸気)とコンベクションオーブン(熱風)の組み合わせで蒸したり焼いたりするオーブンのこと。お値段は「5万~10万」。
正直私、両方とも高いじゃん、と思います。ただでさえ高価な調理家電って、故障しないとなかなか買い代えないですよね。でも、
鍋あるいはオーブンに入れっぱなしで、設定した時間通りにおいしくてヘルシーなメニューができあがる、というのは憧れでもあります。全自動洗濯機が普及し始めた頃も、おそらく皆さん、不安やためらいがあったでしょう。それが今や、あたりまえのように放置プレイならぬ放置洗濯しています。
本書いわく、
手作りの難点は「味にばらつきが多いこと」。確かに、私などレシピどおりにつくってもイマイチな味は日常茶飯事。その点、最新調理器具に一任してしまえば、味は確実に決まりますし、食材や時間の無駄もなくなります。「
火加減の調整もかき混ぜも必要なく、塩分濃度も調整可能」で、しかも食材の特性を最大限に引き出してくれるので、「
高級食材を買わなくてもいい」と本書は述べているのです。なるほど、長期的に見れば節約になるというのも納得。電子鍋だけ買ってみようかな、と私の食指も動きました。
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感情論ではなく理詰めで語られる本書。健康についてはかなりの説得力がありますが、「食事ハック」と言うだけあって、きれいに楽しく痩せようよ、みたいなフワッとしたテイストは欠片もありません。
なんにせよ、おいしくないと続かないのは、健康法も人生も同じこと。「スチームコンベクションオーブン」はとりあえず見送りますが、料理センス不要の「ホットクック」は買い物リストに加えようと思いました。
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小説家・森美樹のブックレビュー―
<文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『
主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『
母親病』(新潮社)、『
神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。
X:@morimikixxx