全盲の慶応大生、10歳からプログラマー。才能をジャマしない母のポリシーとは
雑誌・書籍やWebサイトでよく見る、長いインタビューや対談。ああいった記事を書く上で不可欠な「テープ起こし」という過程をご存じでしょうか。トークの録音を聞きながら、文字にしてPCで打ち込んでいく、スキルが必要な作業です。
ブラインドライターズ」という専門集団がいます。メンバーは全盲や弱視など視覚障がいの方たち。運営するのはライターの和久井香菜子さんです。
どんな人が、ブラインドライターをやっているの?メンバーの中に、とんでもなく優秀な全盲の慶應ボーイがいると聞き、話を伺いました(以下、和久井さんの寄稿)。
野澤幸男さんは現在、慶應大学環境情報学部に通う3年生です。幼い頃に全盲になったとのことですが、7歳からパソコンを始め、10歳になるころにはプログラミング言語を操ってゲームを作ったり作曲したりし始めたそう。
中学生の頃には英語のスパルタ塾に通い、ビジネス英語も難なくこなせるほどペラペラに。学生業と平行して超大手外資系企業にインターンに通っているんです。使用できる言語はJAVA、C、C++など5つ以上とか。
……なんだかすごすごぎる!
――私が「視覚障がいのある方にテープ起こしをしてもらう事業をしている」というと「点字にするの?」と聞く方がけっこうたくさんいます。
野澤「それはずいぶん古いイメージかもしれないです(笑)。今は、パソコンやスマホがかなり障がいをフォローしてくれるので、活用している人は多いと思います。目で見る代わりにスマホを使う感覚でしょうか」
――よく「彼らはどうやってパソコンやスマホを使うの?」って聞かれます。
野澤「PCトーカーという視覚障がい者向けのソフトがあるのですが、それを使ってパソコン上の文字を読み上げています」
――LINEやメールなどでも誤字がほとんどなく、言われなければ目が見えないなどとは思えません。むしろ私のほうが誤字が多いというか……。プログラミング言語はどうやって習得したのですか?
野澤「自分で調べて勉強しました。当時は、1日で30回とか50回、平気でググってました。ググって書いてエラー出て、またググって、というのを繰り返すような」
――ブラインドライターズのメンバーが使っている起こしソフトも野澤くんが作ってくれたんですよね。
野澤「6名ほどいるライターさんのうち、何人かは僕が作った書き起こし用のソフトを使ってくれています。通常の起こしソフトの一部は視覚障がいがあっても利用できますが、実際の依頼をこなすときに『あったら便利だな』と思う機能をどんどん付け加えていってます。なので僕にとってはこのソフトを使うと、作業効率がかなり上がるんです」
その「テープ起こし」を受託する「10歳からプログラミング、英語もペラペラの慶應大生
読み上げソフトでPC・スマホを問題なく使える
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