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全盲の慶応大生、10歳からプログラマー。才能をジャマしない母のポリシーとは

決して子どもの可能性を否定しなかった母

――「通常の起こしソフトが徒歩だとすると、野澤くんのソフトを使うとバイクになる」ってライターのひとりが言ってましたよね。それにしても野澤さん、どうしてそんなにいろんなことができるんですか? 野澤「それはもう、母親に感謝しかないです。障がい者だからといって『××しなさい』『あなたは障がい者だから、××になるしかない』といったように僕の可能性を否定することは決してありませんでした。僕のやりたいことは応援してくれましたし、今も好き勝手にやらせてもらっています」
慶應大学環境情報学部

慶應大学環境情報学部がある藤沢キャンパス

――大学寮でひとり暮らしをしているとか。 野澤「はい。入試の際も視覚障がい者を受け入れしたことがなかったとのことで、大学側も戸惑っていましたが、読み上げの対応をしてくれました。寮も、掲示などの読めないものは周囲が対応してくれますし、特に不便もなく生活できています。周りのサポートにはとても感謝しています」 ――周囲が快く手助けをしてくれるのは、野澤さんが『自分でできることは自分でする』という自立心と責任感があるからではないでしょうか。メールなどの受け答えも、学生とは思えないほど達者です。 野澤「ありがとうございます」 ――こちらこそ、これからもよろしくです! =======================

すでにいくつものゲームを開発

 大学を卒業したら、プログラマーになりたいという野澤さん。「Apple社の音声読み上げソフトの性能がよくないので改善したい」そうです。  野澤さんはすでにいくつものゲームを開発していて、音だけでプレイする「オーディオゲーム」では有名なプログラマーなのだとか。東京ゲームショウにもシューティングゲームを出展していました。  控えめに言っても野澤さんはかなり優秀で、一般人が到底叶わないような能力を持っています。ITなどの技術が進化し、適したツールを使って「ブラインドライターズ」のように戦力として活躍できる人たちがいるんですね。 「障がい者だから○○」と決めつけないことが、まず第一歩ではないでしょうか。 <取材・文/和久井香菜子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表
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