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『まんぷく』の安藤サクラ、“いかにも朝ドラ”ではないヒロイン像とは

 2018年10月1日に始まった、NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』。  演技派として名高い安藤サクラ(32)がヒロインをつとめるとあって期待も高く、視聴率が出ている第1~4話は22~23%と高止まりしています(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
『連続テレビ小説 まんぷく Part1 (NHKドラマ・ガイド) 』(NHK出版)

『連続テレビ小説 まんぷく Part1 (NHKドラマ・ガイド)』(NHK出版)

 世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を開発した日清食品の創業者・安藤百福(ももふく)さんと妻・仁子(まさこ)さんをモデルにしています。初回の舞台は昭和13年の大阪。  では、好調スタートをきった『まんぷく』の見どころとは? 『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』の著書もあるライターの田幸和歌子さんに聞きました。

あの安藤サクラが「サクラちゃん可愛い」と言われるとは

 最大のお楽しみポイントは、「毎朝、半年間にわたって、安藤サクラと長谷川博己(41)の芝居をテレビで観られるという贅沢感ですね」(田幸さん、以下同)。  安藤サクラは安藤仁子さんをモデルにした今井福子を、長谷川博己は百福さんをモデルにした青年実業家・立花萬平を演じています。安藤サクラは映画女優として国際的にも評価されているし、長谷川博己はもともと文学座の舞台俳優出身。演技力に不安なし、ということろでしょう。
 ただ、初めは18歳という設定のヒロインを、子どももいる安藤サクラが演じられるの?という不安もありました。 「史上初のママさんヒロインが10代から演じることについては、ご本人がご丁寧に『まばたき多めに、薄目で見てください』と愛嬌たっぷりに語っていました。  一部には『演技が過剰』という声もありますが、姉と婚約者(後の夫)を前に、ぴょんぴょんはねながら喋ったり、母親にちょっと不満を言うときには口をとがらせたりする様子を見ていると、ちゃんと少女らしい…というよりむしろ幼い子どものよう。彼女の顔が、岸田劉生の『麗子像』に似ているから、ということもあるでしょうか(笑)。  前髪をモジモジいじったり、手足を大きく動かしたりする仕草も、親や姉に愛されて育ったらしい幼さに見えます」  それを裏付けるように、ツイッターには「安藤サクラちゃん、可愛い」という声が続出。複雑かつ屈折した役を演じることも多いクセモノ女優・安藤サクラが、まさかお茶の間で「ちゃん」呼びされて「可愛い」を連呼される日が来ようとは…。

“いかにも朝ドラヒロイン”なドジっ娘ではない

 第1週で、ヒロイン・福子は、女学校を卒業して名門・大阪東洋ホテルの電話交換手として働いています。当時の女性にとって花形職業です。しかも、貧しいなかで母親(松坂慶子)が福子を高校に通わせ、英語をずっと勉強させてきた。いわばキャリア女性ですね。 「仕事にも慣れてきて、仕草も大人びた雰囲気になってきました。ネット上の呼び名も、1週間の中で『安藤サクラちゃん』から『福子ちゃん』→『福子』と変化してきているように見えます。  福子は、オーソドックスな朝ドラヒロインと違って、知的なんですね。  モジモジ、おっとり、ぼけーっとしていながらも、実は『おっちょこちょい』じゃなくて優秀。電話交換手の仕事も、語学力で認められて、着々と活躍していきます。  のちに夫となる萬平の濡れたズボンにアイロンをかけながらおしゃべりするシーンでも、“ザ・朝ドラヒロイン”的に焦がしてしまったりしません。  喋り方がゆったりスローで、やや一方的にグイグイくる萬平のトークにもちょこまかと相槌を打ったりせず、じっくりと耳を傾ける。聞き上手のヒロインって、いいですよね」  いかにもなドジっ娘ではない優秀なヒロイン…そう考えると、安藤サクラは適任だったのかもしれません。
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ジブリ感あふれる長谷川博己がキュート
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