楽天家でおおらかな福子が魅力的に描かれるドラマ『まんぷく』。福子のある行動が発明のきっかけになる?(『まんぷく』HPより)
ドラマで扱われていいようなエピソードに事欠かない、波乱万丈の人生を送った百福ですが、なんといってもインスタント麺の開発は外せないでしょう。

現在のチキンラーメン
理事長を務めていた信用組合の倒産で、すべての財産を失った百福。そんな彼が、自らを奮い立たせ、作ることを決意したのが「お湯さえあればすぐ食べられるラーメン」。
それは戦後の闇市で、たかだか一杯のラーメンを食べるために、寒さに震えながら長い行列を作る人々を目にしたからでした。百福はそこで、「
ラーメンはきっと人を幸せにする」と思ったのだそうです。
麺の開発は難航していました。素人である百福が、いくら死にものぐるいで研究しても、長期保存ができるほど乾燥していて、なおかつお湯ですぐ戻る麺は作れなかったのです。
<
ある時、研究小屋から出てきた百福が台所に入っていくと、仁子が夕食の天ぷらを揚げていました。小麦粉の衣がついた野菜を油の中に入れると、ジューと音を立てて水分をはじき出しています。浮き上がってきた時には、衣の表面にはぽつぽつと無数の穴が開いていました。>
発明は、仁子の天ぷらがきっかけでした。天ぷらの原理を応用すれば、麺の水分が油によって飛ばされて、その水分が抜けた穴へお湯を注げば、吸収されて元のやわらかい麺に戻るということがわかったのです。
今でも人々に愛されているインスタント麺は、百福のそばに仁子がいなければ発明されていなかったかもしれないんですね。この逸話は、ドラマの後半にきっと描かれることでしょう。
視聴率的に好スタートを切ったとはいえ、みんなが見続けるかは今後の展開次第。ぜひ『まんぷく』には、飽きずに毎日食べ続けられるインスタントラーメンのようなドラマになってほしいところです。
<文/A4studio>