『まんぷく』の“シリアス+笑い”は秀逸。桐谷健太のちゃっかりキャラも笑える
ちょっぴり卑怯な「世良くん」=桐谷健太も笑いをかっさらう
世良くんは福子に遭遇して、 「立花(萬平)くんは親友やで。屋台でラーメン食うた仲や」と言うのですが、萬平を留置場から救出してほしいと頼まれると、 「親友ちゃう。一緒にラーメン食うただけや」と手のひら返し。 ところが、救出役を買うことで自分が得するとわかると、またまた手のひらを返して「立花くんは親友や。屋台でラーメン食うた仲やで」。このコロコロ変わる態度で、世良くん=桐谷健太が笑いをかっさらっていきます。 悲しい出来事や深刻な展開が重なれば重なるほど、笑いが冴えてくるものです。 シリアスなパートをマイルドにしてごまかしたり、ナレーションで終わらせたりするのでなく、しっかりと描きつつも、笑いをバランスよく挟み込むことによって視聴者を暗い気持ちにさせず、3週間走り続けた調理法は、すばらしい。 第4週(10月22~27日)ではいよいよ戦況が悪化して、大阪にも空襲の危険があるため、福子と萬平は兵庫に疎開……という展開になるようです。 となると、これまで大いに盛り上げてくれた大阪の「お笑い楽団」とも、離れ離れになります。22日放送回では、缶詰の野呂さんと世良さんは兵隊として戦地に行ってしまいました。 今後、どうやって明るい気持ちにさせてくれるのか、また新たな見どころとなりそうです。 ―NHK朝ドラ『まんぷく』レビュー― <文/田幸和歌子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon
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