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問題作『中学聖日記』から深夜『文学処女』まで…少女漫画原作ドラマ5本を総レビュー

 少女漫画マイスターの和久井香菜子です。

 今期(2018年10~12月期)のドラマは、女性向けマンガ原作のものが6本もあります。

中学聖日記

『中学聖日記』公式サイト https://www.tbs.co.jp/chugakuseinikki_tbs/

『中学聖日記』(TBS系、火曜夜10時~)
『昭和元禄落語心中』(NHK総合、金曜夜10時~)
『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系、金曜夜11時15分~)
『深夜のダメ恋図鑑』(ABCテレビ、日曜夜11時35分~/テレビ朝日、土曜深夜2時30分~)
『文学処女』(MBS、日曜夜1時50分~/TBS、火曜夜1時28分~)。
※『こんな未来は聞いてない!!』(フジテレビ「FOD」で配信)

 これら少女マンガ原作ドラマが、少女マンガ脳の筆者からはどう見えるのか、どんな人にお勧めしたいかお話ししたいと思います(地上波の5本について)。

『中学聖日記』かわかみじゅんこ:著


 新卒で中学校の担任になった聖(ひじり・有村架純)を熱烈に慕う生徒・晶(岡田健史)と、聖のエリート商社マン婚約者(町田啓太)がなんやかやする話です。視聴率が振るわず、いろいろとバッシングされてますが、私は萌え上がってます。

中学聖日記 まず生徒役の岡田健史(19歳)がまったく中学生に見えないです、はい。なら、そう思わなければいいんじゃないですかね。細かいことを気にしないとか、都合の悪いことは見えない性格だとめちゃくちゃ楽しめます。ドラマでも中学がどうのとか、中学生を意識させるセリフがあんまり出てこないので、萌えシーンだけ切り取ってみてたら一途な青年が純愛に萌えてるって感じです。

「AVみたい」(ex.生徒が女教師を力づくで体育倉庫に連れ込むとか)という声もあるようで、中高生が中高生に見えないあたりは確かに大人だけで作ってるAVっぽい。でも本番シーンがあるわけでもなし、個人的には寸止め感がめちゃくちゃいいです。女の手首をつかんでモジモジしたこと言うとか、ため息ものです。

 ドラマは、原作と初っぱなからムードが異なってます。原作では、もっと晶は少年っぽいし、聖はもっとぼやっとしてるし、細かな設定も展開もかなり違います。そもそもまだ4巻しか発売されていない作品なので、そのまま連続ドラマにするには難しいのかもしれないですね。

 でも、映像とマンガという異なるメディアに作品を移行する場合、多少のアレンジはマイナスではなく、芯のブレない味つけはむしろヒットの条件だったりもします。ネットで騒がれてるAV風のアレンジは、制作スタッフの意図してるところなのでしょう。

 純愛が好き、男性に強引に口説かれたいという少女マンガ脳にはお勧めの一品です。

『昭和元禄落語心中』雲田はるこ:著


 今まで、落語をテーマにした映像作品はいくつかありました。落語はちょいちょい聴くので、落語が作品になるたびに「声優(俳優)さんの落語が上手なのよ!」と聞くと、試しに見ていました。しかしそのたびに「えー……?」と思いそのままフェイドアウト。やっぱりアラが見えて仕方がない。

 しかし今作、俳優さんたちの落語は、間の取り方といい、抑揚といい、かなり上手に聞こえます。

昭和元禄落語心中 落語家・有楽亭八雲(岡田将生)と、その盟友・有楽亭助六(山崎育三郎)、助六の娘の小夏(成海璃子)、八雲に弟子入りした与太郎(竜星涼)らをめぐる物語です。

 八雲の抱える闇と、助六の死の秘密、それを知りたくて鬱屈している小夏と、刑務所帰りの与太郎と、さまざまな人間模様が絡み合って進みます。人間の業というか、コンプレックス、プライド、そういったものがぐちゃぐちゃに絡まって落語という世界を織りなしていて、読むたびに胸が締め付けられます。

 私の周囲では、特に文学好きの人がハマっている印象があります。特に八雲のアンニュイな感じは少女マンガ脳にはたまりません。ドラマは、かなり原作を忠実に再現していて、好感度も高いです。

昭和元禄落語心中

『昭和元禄落語心中』公式サイトより https://www.nhk.or.jp/drama10/rakugo/

 なにより、岡田将生さんの迫力がすごい! 50代の気難しい男性も難なく演じ、貫禄も充分。圧巻です。

 もともと演技力に定評のある俳優さんですよね。映画『悪人』では、めっちゃクソ野郎の役をやっていて、それを観た友人などは「この人、ホントにイヤな人だと思ってた」などと言い出す始末。演じた役そのままの人柄だと思わせちゃうぐらい、上手いです。そして美しい……! 回想シーンの若かりし頃の八雲はもう、ホント神々しくて神です。

 原作を読んでいるので続きが気になるというより、岡田将生さんを見たくてドラマにかじりつきそうです。

 ひとつ難を言うと、小夏役・成海璃子の演技力がイマイチなこと。気が強く、乱暴だけど愛憎入り交じった思いを八雲に抱えている闇を表現し切れていません。ここ、要なんだけどなあ……。

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あと3本の見どころは…

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