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『まんぷく』『半分、青い。』に出てた濃い脇役とは…劇団イキウメが熱い

 テレビドラマを観ていて、出番の少ない脇役、さらに言えばワンポイント出演なのに、妙にひっかかる「濃い人」というのはよくいるもの。気になって調べると舞台を中心に活躍している役者さんだった……という「発見」は誰でも少なからず経験したことがあるでしょう。  とはいえ、バイプレイヤーばやりの近年は、そうしたバイプレイヤーが掘りつくされ、「発見」が少なくなっている気もします。  そんな中、ドラマ・映画・演劇好きの人のアンテナに引っかかってくる人物が10月26日放送分『まんぷく』に登場しました。  それは、疎開先の上郡の家で、猛烈な腹痛に苦しむ萬平(長谷川博己)の様子に、「若林はんとこの息子さんが寝込んだとき、こないな風に痛がった」ということから腹痛の参考として呼ばれてきた、近所の若林武少年

『まんぷく』でも濃かった、劇団「イキウメ」の大窪人衛

 ツヤのある、まあるい顔で「いや、わいんときは、ちごとうわ」「ワイはあんとき、便所から出れんかった。腹はくだしとらんのやろ?」「塩沢のばあちゃんのときに似とうな」など、セリフはわずかです。  それでも、眉や口元、頬など、軟体動物のようにグニャグニャ動かす表情筋の柔軟さと豊かすぎる表情、甲高く耳を突くクセの強い声が、どうにも気になって仕方ありません。  その後も、塩沢のばあちゃんが来たり、医者が呼ばれてきたりするたび、縁側の外からのぞいたり、何気なく萬平の足元の奥のほうに座っていたり、枕元に移動して医師の後ろからのぞいたり…。いちいち芸が細かすぎて、濃すぎてちょっとイラッときてしまいます(もちろん誉め言葉!)  実はこの人、劇団「イキウメ」の大窪人衛さん(29)。ドラマでも映画でも奇天烈な少年に見えますが、実はアラサーです。  お気づきの人もいるかと思いますが、大窪人衛は『半分、青い。』には、有田哲平演じる津曲のオフィスで働く挙動不審なデザイナー役でしたし、『西郷どん』には近衛忠房役で出演していました。  一度聴いたら忘れられない特徴的な声と、表情筋の柔軟性は、わずかな出演でも、強い印象を与えています。
イキウメ

イキウメ公式サイトより http://www.ikiume.jp/

 劇団「イキウメ」とは劇作家・演出家の前川知大さんが2003年に旗揚げした劇団で、SF・オカルト要素を盛り込んだオリジナル作品で高い評価を受けています。  上演中のイキウメの新作舞台『ゲゲゲの先生へ』(草案・水木しげる)には、佐々木蔵之介や松雪泰子とともに、大窪人衛も出演しています。
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“けもなれ”にもイキウメ俳優が
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