独り身で細々と暮らすつもりが…親の介護で貧困になった38歳女性
女性もある程度、年齢を重ねると様々な出費がついてくるもの。中には、思わぬ出費が重なり貧困に陥ってしまうというケースもあるようです。
今回、話を聞いたのは親の病気がきっかけで貧困に陥ってしまったという大原結子さん(仮名・38歳)。結子さんの月収支を聞いてみました。
「前の夫とは子供ができないことが理由で3年前に離婚しました。慰謝料はなく円満離婚だったものの、財産分与で私がもらえたお金はわずか100万円ほど。でも、離婚後は独身時代に勤めていた製薬会社に復帰できたんです。
薬剤師の資格は持っていないので手取りは20万円くらい、住んでいるのは地方なので家賃は5万円ほど。アパートには同じようなワケありで独り身の人が多く、周りに格安スーパーもあるので節約すれば生活はできていました。子供もできないと思うのでこのまま結婚もせず、細々と暮らしていくんだろうと思っていました」
そんな結子さんの生活が一変したのは、つい半年前のことでした。
「いつものように仕事をしていたら突然、会社に電話がかかってきたんです。電話の相手は脳外科病院でした。聞くと、母が脳出血で倒れたというのです。母は62歳ですが、いまだに現役でパートをしていたのでとても信じられませんでしたね……。
急いで病院に駆けつけると、どうにか一命は取り留めたようで安心しましたが、医師からは重い後遺症が残ると告げられました。聞くと左半身にマヒが残ってしまうようで、もう仕事はできないと言うのです。母は私が幼い頃に離婚して、女手一つで私を育ててくれました。それが突然介護が必要な体になってしまい、その時はただ呆然とするしかありませんでしたね」
再び倒れてしまう恐れもあるので、常に近くに人がいなければいけない状態になった結子さんの母。そのため、結子さんは週末ごとに実家に帰らなければいけなくなりました。
「昼間は訪問介護の人に来てもらっていますが、夜は近所の人に事情を説明して母の様子を度々見に行ってもらうようお願いしました。それでも週末は私が家に行って家事をしなければいけません。実家は電車で2時間ほどなので、仕事後すぐに実家に行き、そのまま日曜の夜まで母の面倒を見ます」
ガラリと変わった結子さんの生活。介護のために失われるものは、時間だけではありませんでした。
離婚して独り身に。このまま細々暮らしていくつもりが……
とつぜん始まった、母を介護する生活
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