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痴漢被害をきっかけにファッションで発信するレディース集団「女子力競争させるシステムをぶっ壊せ!」

「私、女子力ないから」という言葉の裏に

――私事ですが、先日、大学のテニスサークルと試合をしたら、そのメンバーの中に「私、女子力ないから」って口癖のように言ってる女子がいたんです。テニスサークルって、女子のタイプが二分されるんですよね。「テニスはできないけど、可愛くて、そこにいるだけで男子からチヤホヤされる女子」と「テニスが上手くて『お前は女じゃないからな』とか言われて男子と対等に仲がいい女子」。  でも「女子力ないから」っていう言葉には、なにか引っかかるものがありました。この違和感はなんなのでしょうか……? ニューエラレディース里子「ひとつ、こんな説明ができるかもしれません。男性社会にもヒエラルキーがあります。トップにいるのは、高身長とかスポーツができるとか、文化に詳しいとか、学歴も高くて収入もいいという一般的に『勝ち組』と呼ばれる層。そしてそこに入れなかった人たちをバカにする風潮があります。だけど、その男性のトップ集団に入りたい、側にいたい女性もいますよね」 KIKI「世間で“名誉男性”と揶揄される人たちですかね。男性を持ち上げて、手のひらで転がせる人とかのことをそう呼ぶらしいんですけど。ただ誤解して欲しくないのは、私たちはその女性の行動自体を否定してるわけじゃないんですよ」 里子「そうしないと女性に平等な力をもたせてくれない、生き残れないという社会背景があるので、彼女たちの生き様もたくましい。  私たちが考えるフェミニズムは、そもそも平等を目指す女性の生き方自体には口を出すものではないんです。だからそれを前提でお話ししますが、言えることはその男性ヒエラルキーのトップに入るという行為にも『彼らに認めてもらう』という男性目線がまず必要となってしまう、ということなんじゃないでしょうか。だから、男性的である、という地固めとして『女子力がない』と言うのかもしれません」 ――女子力が評価される社会を否定しているようで、実は逆に囚われてしまっているのかもしれませんね。 里子「以前、とあるアイドルが『映画秘宝』を読んでいることが発覚したことがありました。そうしたら『男の影響だね』っていう発言をした人がいて、炎上したんです。女が自分の意志でしていることを、男の影響だ、お前にはそんな判断力と意志はないってニュアンスで言われたら、そりゃムカつきますよね」 KIKI「女性の主体性を認めていない『男の影響』発言の根底には、女は何も考えていない、男性のほうが知的で文化的だっていう世間の偏見があるんですよ。だからそれに反発して女性たちは『自分はそうじゃない』って主張をしたくなるんです」 里子「男性社会が勝手に『自然なもの』として定義し押し付けてくる『女らしさ』がまずあるからそれを認めたくなくて『あたし、女子だけどジャンプ読んでる』みたいな言い訳をしないといけなくなるんですよ。『男性の社会に認めてもらう』『反発しているようで結局囚われてしまう』という考えから脱却していきたいな、と自分としては思ってるんですが」
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「私は私」それでいいじゃない?
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