既婚者とつきあい、それがバレて妻から訴えられたため、あわてて自分も訴えたというのは、ルミさん(36歳・仮名)だ。
「10歳年上の彼は離婚協議中で別居していると言っていたんですよ。
もう夫婦関係が破綻しているならと思って彼とつきあうようになった。それなのになかなか離婚が成立しない。財産分与で揉めていると聞いていました」
ルミさんとつきあっていることは妻にはバレていないという彼の言葉も信じた。結婚できるなら待とうと彼女も前向きに考えていたそうだ。
ところが
つきあって3年ほどたったところで、彼女はいきなり彼の妻に訴えられた。彼に問いただそうと連絡したが、なかなか連絡がつかない。
「妻の弁護士によれば、私が彼の家庭を壊したことになっている。だって彼は離婚協議中で別居しているんでしょと言ったら、なんと別居はしていなかったんです。私が騙されていたんですね。その後、
私も弁護士をたてて彼を結婚詐欺で訴えました」

ところが最終的には彼女の訴えは棄却され、妻の訴えは認められた。
妻は100万円を慰謝料として請求してきたが、実際には80万円でかたがついた。
「私としては釈然としません。だけどなんだかもう疲れちゃって。
さすがに彼も私に悪いと思ったんでしょうか。その80万を肩代わりしてくれました。それですべておさめてほしいと言われたので、かげでこっそり80万円を受け取って妻の口座に振り込みました。なんだったのかなあ、あの3年間は。2年前のことですが、今でも釈然としない思いは残っていますね」
不倫といえども恋愛。人間の感情が複雑にからみこむところに司法が入り込んでくるのがどこか無粋な気がしてならないが、そうでもしないと解決しないのも恋愛なのかもしれない。
<文/亀山早苗>
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