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愛犬が崖から落ちてケガ。そして飼い主が気づいたこと|ペットロス Vol.20

新たな闘病生活への扉が開いた

 雪山から帰って早々、動物病院へ向かいました。全身を触診した主治医は、ケフィのつぶれたマイボーム腺腫を診て「自分で切除手術をしたんだ」と笑いました。専門家から診ても外傷はなさそうでした。  主治医は「このまましばらく様子を見ては」と言いましたが、私はケフィがふらついたことが解せませんでした。雪山で泊まった宿で、ケフィがはじめて“そそう”をしたことも気になっていました。人間がご飯を食べに行っている間に、眠りながらオシッコをもらしてしまったのです。 雪にまみれてボールをくわえるケフィ ふらついたこと、おもらししてしまったこと、それらは高齢犬になれば当然起こり得ることです。しかし、二度の大病を乗り越えたことによって得た「『もう高齢犬だから』を理由にしてはいけない」との教訓が、頭から離れませんでした。いつも一緒に暮らしている飼い主が「なにかひっかかる」という感覚を大事にしなければいけないということも、つい最近、学んでいました。  実は事故の前から、気になっていたことがあったのです。心膜に水は貯まっていないのに、ケフィの呼吸が変わらず荒いままだということです。「念のため」と心臓の薬を飲んではいましたが、本当にそれで大丈夫なのかという思いがずっとぬぐえずにいました。 「やっぱり気になるのでレントゲンとか、ケフィに負担のない範囲で、今、病院でできる検査を一通りしてもらえないでしょうか。内臓になんらかの問題があるかもしれません」  私は思いきって、そう主治医に頼みました。結果的にはこれが、新たな闘病生活への扉を開くことになりました。 <文/木附千晶> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
木附千晶
臨床心理士。「CAFIC(ケフィック) 子ども・おとな・家族の総合相談 池袋カウンセリングルーム」主宰。子どもの権利条約日本(CRC日本)『子どもの権利モニター』編集長。共著書に『子どもの力を伸ばす 子どもの権利条約ハンドブック』など。著書に『迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり』、『いつかくるペットの死にどう向き合うか』など。
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