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愛犬が、ガンかも…つらい検査をさせるのは飼い主のエゴなの?

16歳の愛犬を亡くした心理カウンセラーが考えるペットロス Vol.21>  心理カウンセラーの木附千晶さんは、16年一緒に暮らしたゴールデン・レトリーバー「ケフィ」を2017年1月に亡くしました。ケフィはメニエール病などと闘い、最後は肝臓がんのために息を引き取ったのです。
ゴールデン・レトリーバー「ケフィ」

木附さんが16年間一緒に暮らした、ゴールデン・レトリーバーの「ケフィ」

 前後して3匹の猫も亡くし、木附さんは深刻なペットロスに陥ってしまいます。自分の体験を、心理カウンセラーとして見つめ、ペットロスについて考えます(以下、木附さんの寄稿)。

愛犬ケフィが崖から落ちた原因は……

 2~3メートルの高さから落ちても奇跡的にけがひとつ負わなかったケフィ。でも「念のため」子犬の頃からお世話になっている地元の動物病院で、できる範囲の検査をしてもらったところ、胸水が貯まっていることが分かりました。心タンポナーデという心臓の膜に水が貯まる大病をしたのは2カ月前。そのときにはなかった症状です。  どうやらこの胸に貯まった水が肺や心臓を圧迫して呼吸を困難にし、そのために意識がもうろうとして転落したようでした。  私は再び高度医療を行う二次診療病院の予約を取りました。

ケフィにリンパ腫の疑い。でも確定診断はできない

 その予約日までの間に、地元の動物病院で行った「なかなか完治しない皮膚病」の検査結果も明らかになりました。そこには次のような所見がありました。 ゴールデン・レトリーバー「ケフィ」「リンパ腫の可能性が考えられるが、他の可能性も否定できない。確定診断には、腫瘤(しゅりゅう)の病理組織学的検査が必要」  かんたんに言えば、「全身麻酔をして、CT検査などをしない限り確定診断はできない」ということです。  二次診療病院の担当獣医師も、同じ意見でした。担当獣医師は、今までの地元の動物病院で行ってきたいくつもの検査や過去の健康診断の結果を見て、ケフィの体を丹念に触診し、こう言いました。 「体中のリンパが腫れ上がっていて、あちこちにしこりのようなものがあります。リンパ腫である可能性は高いかとは思いますが、きちんと検査をしない限り断定はできません
段ボールを破壊

段ボールを破壊するケフィ

 皮膚病と思ってさまざまな手を尽くしたにもかかわらず一向によくならなかった皮膚の赤みや腫れ、抜け毛。それが癌(がん)によるものだとしたら……とても納得がいきます。 「きっと、ケフィはリンパ腫に違いない」  私の心の声も、そう告げていました。  それは私にとって絶対に受け入れたくない現実でしたが、ずっとくすぶってきたもやが晴れて視界が開けたような感覚も覚えました。「もう見えない敵に怯(おび)えてすごさなくていい」という安堵(あんど)感のようなもの、と言ったらいいのでしょうか。  でも、このままではなすすべがありません。特定には全身麻酔による検査が必要になります。「胸水が貯まったら抜く」を繰り返しながら、だましだまし時を待つのか、それとも原因を特定して根本的な治療に挑むのか。私は二者択一を迫られました。
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藁(わら)にもすがる思いで……わずかな望みにかけた
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