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愛犬がガンに。リスクのある治療をするべきか…飼い主の選択は?

16歳の愛犬を亡くした心理カウンセラーが考えるペットロス Vol.22>
ケフィ

木附さんが16年間一緒に暮らした、ゴールデン・レトリーバーの「ケフィ」

 心理カウンセラーの木附千晶さんは、16年一緒に暮らしたゴールデン・レトリーバー「ケフィ」を2017年1月に亡くしました。ケフィはメニエール病などと闘い、最後は肝臓がんのために息を引き取ったのです。前後して3匹の猫も亡くし、木附さんは深刻なペットロスに陥ってしまいます。自分の体験を、心理カウンセラーとして見つめ、ペットロスについて考えます(以下、木附さんの寄稿)。

全身麻酔をしての検査は命がけ

 15歳を過ぎたケフィに「全身麻酔をしての検査」という選択。そこへ向けた最後の一押しは、「うちのコは15歳で全身麻酔をして大手術をしましたが、今は元気です」という、ネット上の書き込みでした。  励まされた私は、もう一度、高度医療を行う二次診療病院の担当獣医師に相談しました。担当獣医師は、過去1年あまりのケフィの検査結果や、最近の診察時の様子から、次のように言いました。 「若くても全身麻酔のリスクはあります。高齢犬だとリスクが高くなるのは事実ですが、“今の”ケフィちゃんならどうにか乗り切れるのではないかと思います」 「“今の”ケフィちゃんなら」……その言葉が、私の心に響きました。つまりそれは、「全身麻酔をするなら今しかない」ということです。「今やらなければ、もう機会は永遠に訪れない」ということです。これからケフィはますます年老いて、病状は進んでいくのですから。

清水の舞台から飛び降りる気持ちで

 はっきりしない診断。気休めのような投薬。弱っていくケフィを、指をくわえて見ているしかできない私。「あのとき、もし検査をしていたら」と後悔する未来の自分が想像できました。
タリとケフィ

猫のタリとお散歩中のケフィ

やらずに後悔するくらいなら、やって後悔しよう!」  私は清水の舞台から飛び降りる気持ちで全身麻酔の同意書にサインすることにしました。もちろん、まったくの“賭け”というわけではありません。ケフィは生まれてからずっと地元の信頼できる動物病院の獣医師に診てもらってきました。15年以上にわたるその積み重ねが、検査結果としてそのとき私の手元にはありました。  そんな検査結果を見て判断した二次診療病院の担当獣医師は、救命救急に携わってきた専門家です。その担当獣医師が「“今の”ケフィなら乗り切れる」と言ったのです。もし全身麻酔のリスクがうんと高いなら、経験上、止めるはずです。
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同意書を前に、恐怖で体が震えた
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