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Vol.7-1「女性をモノ扱いですね」憧れの女性と結婚した男性がとったまさかの行動

結婚は“自慢げなアガリ”

 10年来のミューズをついに伴侶とした滝田さん。ところが驚くべきことに、結婚後間もなく、別の女性と関係を持つようになる。 「ミドリとの結婚は、僕にとって“自慢げなアガリ”だったんです。結婚した時、大学時代のサークルの人たちには激震が走ったそうで、いやあ、愉快でしたね。“あのポンコツ滝田が、ミドリさんと結婚!?”って。それが気持ち良くて、僕の汚い心はそれで満足しちゃったんです。“最上級の女”をゲットしたことで、僕のランクが上がった、ミッションコンプリート。ええ、最低です。僕は最低の人間です」 ミッションコンプリート 滝田さんは結婚してすぐ独立し、神宮前に小さな事務所を借りた。当時は気が狂うほど忙しく徹夜続きだったそうだが、ことあるごとに事務所に女性を連れ込んだ。しかも、多い時は同時に3人と浮気していたという。 「当時はミドリのほうも浮気していたのがバレバレでした。『友達と朝まで飲んでた』とか言って朝8時過ぎに帰ってくるんですけど、当時は学芸大学のマンションに住んでいたので、都内なら始発に乗れば、どんなに遠くてもいいとこ6時台には帰れるはず。お互い叩けばホコリが出る関係でしたが、子供もいなかったし、互いの生活には干渉しない主義だったので、波風は立っていませんでした」  なぜ離婚しなかったのか。 「ミドリがいい女であることに変わりはないので、一緒に歩くぶんには僕のプライドが満たせるんです。女性をモノ扱いですね。ええ、わかってますよ。僕は最低の人間ですから」  結婚7年目には息子が生まれた。滝田さんに子作り願望はなかったが、ミドリさんが強く望んだため、「折れた」形だそうだ。ただ、父親としての義務は果たしたと滝田さんは言う。 「事務所のソファーベッドで浮気相手とナニはしていましたが、朝にはちゃんと自宅に帰って息子を保育園に送り届けていましたよ(笑)。息子はやっぱり無条件にかわいいですから」 父親としての義務は果たしていた ところが息子さんが3歳を迎える頃、滝田さんはある仕事先で聡子さん(仮名/当時24歳)という女性に出会う。 「僕は聡子に出会うまで、ミドリがこの世でいちばん綺麗な女性だと思っていたんですが、完全にひっくり返りましたね」 ※後編となる#2は、12/11に配信予定。 ※本連載が2019年11月に角川新書『ぼくたちの離婚』として書籍化!書籍にはウェブ版にないエピソードのほか、メンヘラ妻に苦しめれた男性2人の“地獄対談”も収録されています。男性13人の離婚のカタチから、2010年代の結婚が見えてくる――。 <文/稲田豊史 イラスト/大橋裕之 取材協力/バツイチ会>
稲田豊史
編集者/ライター。1974年生まれ。映画配給会社、出版社を経て2013年よりフリーランス。著書に『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)、『オトメゴコロスタディーズ』(サイゾー)『ぼくたちの離婚』(角川新書)、コミック『ぼくたちの離婚1~2』(漫画:雨群、集英社)(漫画:雨群、集英社)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)がある。【WEB】inadatoyoshi.com 【Twitter】@Yutaka_Kasuga
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