「恋だけに突っ走ることはできない」45歳女性のせつない不倫
人生も折り返し地点を過ぎたら、既婚であれ未婚であれ自分の思いだけで恋に走ることはできないのだろう。
「わかります。私が彼とゆっくり会えるのは月に1回くらい。それでも、
彼がいてくれるだけでいいんです」

写真はイメージです。
せつない思いを話してくれたのはハルナさん(45歳)だ。ひとり娘で大事に育てられたが、20年前に父親が急死。以来、母とふたりで生きてきたが、そんな母も5年前に病死し、親戚もなくひとり暮らしをしている。
「このまま定年まで働いて
ひとりで老いていくのかと思っていたんですが、1年半ほど前に異動してきた上司と恋に落ちてしまいました」
ほぼ20年ぶりの恋愛だった。酔った勢いで上司と寝てしまったのだが、彼は「本気だ」と言った。ハルナさんにもこれまで感じたことのない感情があった。とはいえ上司には家庭がある。仕事が多忙なのも彼女がいちばんよく知っている。
「だから
私から会いたいとは言えない。でも彼は、そんな私の気持ちをわかっていて、月に一度くらいは時間をとってくれる。友人には『都合のいい女になってるだけ』と言われますが、それでもいいんです。毎日、
会社で彼の顔を見られて、ときどきゆっくり会うことさえできれば、私は他に何も望みません」
この人がいるから生きていける。そんなシンプルな感情が、人を支え続けることがある。
<文/亀山早苗>
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