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「子宮の霊視」に15万円…小林麻耶もハマった“子宮教”が怪しすぎる

 健康に気を遣う、美容に励む……それ自体は前向きなアクションであるはずなのに、なんだかおかしなアプローチを選ぶ人たちがいる。特に、女性の周りには、トンデモともいえるレベルの健康法、美容法がゴロゴロと存在しています。  何を選ぶも人の自由ですが、そういってはいられないケースもある。たとえば、「子宮を大切にすれば、身体の不調が治って幸せになる」「布ナプキンで子宮汚染を防ごう!」……これらは裏を返せば、そうしなければ不幸になる、子宮が汚染されるという“呪い”にほかなりません。 『呪われ女子に、なっていませんか?』 今冬発売された『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)は、そんな呪いの実態、それを利用して甘い汁を吸おうとする人たち、それを信じてしまう人たちの背景にあるものを、著者の山田ノジルが解き明かす1冊。  まず注目したいのは、“子宮系女子”。一時は元アナウンサーの小林麻耶さんが傾倒しているというニュースも流れましたが、それはいったいどんな思想なのか、そこに絡め取られた女性たちはどうなってしまうのでしょうか……? ※以下、『呪われ女子に、なっていませんか?』より一部を抜粋し、著者の許可のもと再構成したものです。

子宮の声を聞く“子宮教”

 子宮系女子とは、女性の健康と幸せは子宮を大切にし、いたわることからという思想を持ち、さまざまな健康法や開運法、自己啓発法などを子宮と関連づけて語る女性のこと。 「子宮を大切にする」とは、どういうことでしょう?“酷使しない”のであれば、排卵のコントロールと子宮内膜の厚みを抑えるピルで子宮の負担を減らすのが無難でしょうし、メンテナンスなら定期的に婦人科検診を受ければいいでしょう。ところが子宮系女子たちが誘導したいのはそこではなく、“子宮の声を聞く”というイメージワーク(瞑想)的なアプローチなのです。
※写真はイメージです

※写真はイメージです

 彼女らの主張によると、子宮に聞き取り調査をしてその本音に従って生きると、心身の不調が改善、引き寄せの法則的に御利益もガッポガポ、人付き合いも恋愛も仕事もすべてがうまくいき、幸せになれるというミラクルが起きるそうです。恐るべし、子宮のポテンシャル。ひとまずこれを“子宮教”とでも名付けておきましょう。  スピリチュアルな“子宮の声(魂の欲求)”と健康はどうリンクしているのか? 布教者によってさまざまな言い回しがあるものの、ざっくりまとめるとだいたい次のように説明されています。

子宮にはネガティブな感情がたまる…?

●子宮にはネガティブな感情がたまる! その感情には自分の本当の望みが隠れているので、無視するとトラウマからも解放されず体に悪影響を及ぼし、ストレスや冷えなどさまざまな病気のもとが発生する。 ●子宮や膣を温めて活性化させると、エネルギーの循環がよくなって自然と全身が健康になる。ついでに人間関係も円満に! ●子宮に意識を向けた生活をしていると感覚が研ぎ澄まされてくるので、ささいな不調にもすぐ気づけるようになる。 ●男性的に生きることは、子宮をないがしろにすること。すると婦人科系疾患を招き、結果的にパートナーともうまくいかなくなる。  要は「子宮の声を無視することこそ、病気と不幸のモト!」という呪い(脅し)です。心身の健康のために、自分の気持ちや体調と向き合うのはいいことですが、セルフケアの核をすべて子宮で語るとは強引……いえいえ、ユニークな試みです。他の臓器から「自分たちを無視しちゃイヤ!」という声が聞こえてこないのが不思議ですけれど。  何はともあれ子宮系女子たちは、あらゆることを子宮軸で考えることで、女性としてのアイデンティティを確立しているようです。  ここで、母が子宮系女子になったという、主婦Tさんの体験談を紹介しましょう。
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女性器の霊視を受けて母、号泣
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