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「ちゃんと家事やるなら働いてもいいよ」と言う夫にVERY妻が反乱?プチセレブ夫婦の闇

 夫は十分収入があって、妻は専業主婦か、半分趣味みたいな仕事ーーそんなプチセレブ妻への憧れ雑誌と思われた『VERY』(光文社)。ところが、いま『VERY』のある特集が、話題を呼んでいます。夫婦関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
『VERY(ヴェリィ)』 2019年1月号(光文社)

『VERY(ヴェリィ)』 2019年1月号(光文社)

 女性誌『VERY(ヴェリィ)』 2019年1月号で「攻めてる」と言われているのが、『「きちんと家のことをやるなら働いてもいいよ」と将来息子がパートナーに言わないために今からできること』という長いタイトルの記事。セレブ系素敵な奥さん、素敵なママのキラキラ誌かと思いきや、タイトルからもわかるように直接、夫を非難せずに次の世代に希望を託すひとひねりある手法が効いている。  とはいえ、現実的には息子をそのように育てるには、今の夫の言動が重要になってくるわけだし、それなら『「男の価値はどれだけ稼げるかよね」と将来娘がパートナーに言わないために今からできること』も考えなくてはいけないとも思う。 夫婦 ひとり暮らしなら、仕事をしながら家事をするのは当然のこと。少しでも居心地よく暮らそう、おいしいものを食べようと思えば掃除も自炊も当たり前にこなす。そういう男女(同性同士でもかまわない)が結婚すれば、何の問題も起こらない。問題なのは、家事や育児を自分の仕事ではないと思い込んでいる男性がいることだ。そんな実例を紹介しよう。

「オレと同じだけ稼げるんなら、専業主夫になってやるよ」

 リサさん(41歳)は、2歳年上の夫と、9歳と6歳の子どもとの4人暮らし。夫も彼女も会社員だが、収入は夫のほうが多い。これは会社が違うこと、賃金に男女格差があることに起因することで、彼女のせいではない。ところが、夫は平日はほとんど家事育児をしない。彼女は極力、残業をしないために仕事を持ち帰ったり休日出勤をしたりしている。
理解のない夫

写真はイメージです(以下同じ)

「いろいろ工夫はしていたんですよ。食材は週に2回宅配してもらって買い物はなるべくしないようにしていたし、時間があるときに総菜も作り置きしてた。だけどあるとき、あまりに疲れたのでスーパーで総菜と冷凍食品を買ったんです。それを見た夫は、『夕飯を作る時間もないなら仕事をやめたら?』と。 『私だって働いてるのよ。あなたが早く帰って作るという選択肢もあるじゃない』と言ったら、『オレと同じだけ稼げるんなら、オレは専業主夫になってやるよ』って。ついでに『何かというと、働いてるっていうのはやめろよ、たいした仕事もしてないくせに』とまで言われました。悔しかった。離婚という言葉が頭をよぎりました。でも、それは今じゃない。子どもたちが大きくなったら考えよう、と。  だから相変わらず、うちはほとんど家のことは私が担当。自分のボーナスで、こっそりお掃除ロボットを買ったり食洗機を買ったりして家事の効率化ははかっていますけどね」  家電で家事を効率化させるのはいい方法だが、そこは夫婦で話し合って買いたいもの。妻がつらくて自分のボーナスで「こっそり」買うものではないはずだ。

子供ができたら「オレもできることはやるよ」とドヤ顔で言った夫

 夫婦は協力し合って家庭を築いていく。言葉にすると簡単だが、いかにそれができている家庭が少ないことか。 夫婦の話し合い「子どもができたとき、『オレもできることはやるよ』と夫がドヤ顔で言ったので、『できないと思うこともできるようにして』と言いました。産んだのは私だけど、子どもは私が育てるものじゃない、ふたりで育てていかなければ意味がない、とはっきり伝えたんです。  夫はそこから少し変わった。私が子どものめんどうを見ているときは、食事の後片づけをさっさとやるし、洗濯乾燥機も夫のほうから買おうと言い出した。子どもは今、小学生と保育園ですが、ふたりとも早く帰れないときのためにシッターを頼もうと言い出したのも夫です」(38歳)  このあたりはもともとの夫婦のありようも関係してくるのだろう。女性が「夫に言うとめんどうだから、自分でやってしまおう」と思わずに、結婚したときからきちんと話し合って夫の意識を変えていく必要があるのかもしれない。  そうしないと、妻側の不満はたまっていく。

引き出しには、常に離婚届を入れてある

離婚届離婚のタイミングを狙っています。うちもずっとワンオペ状態。私は下の子が小学校に上がったときに辞めていた仕事に完全復帰するつもりだったんですが、夫の反対でパートでしか働けなかった。そのことをずっと恨みに思っています。  その後、前にやっていた仕事関連で新しい資格をとったけどやはりフルタイムでの仕事につくのはむずかしかった。夫は独身時代からずっと生活が変わらない。女だけ家庭をもったとたんに生活が激変するのはおかしいですよね。私個人の人生はどこに行ってしまったんだろうと思う」  50歳になったユカリさんはそう話す。5歳年上の夫が定年退職するのは10年後。そのときを待って突きつけてやるために、今も自分のサインを書いた離婚届をキッチンのテーブルの引き出しに入れてある。  かと思えば、こんな人もいる。
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自分の大病を機に、夫へ家事を叩き込んだ女性
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