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特撮オタクOLの姿に共感の嵐…ドラマ『トクサツガガガ』が熱い

隠したいけど、ちょっと伝えたいオタ心

 本作で、叶はカラオケに誘われたものの、特撮ソング以外知らず、「子どもの頃に観たリアタイ(リアルタイム)世代のなつかしさ」を装って、TVサイズ以外の箇所は知らないフリ、英語のところはうまく歌えないフリ、シャウトやセリフはスルーという「オタ隠し」を貫きます。  そうまでしても、やっぱり好きな特撮ソングを選ぶことはやめないところに、「隠したいけど、それでもちょっと伝えたい」愛と欲が出てしまいます。
「隠れオタ」には、自分の愛するキャラやアイテム、人物などが頑張ったとき、良い仕事をしたときには、讃えたい気持ち、誇らしさから、こっそり関連グッズをつけてみたり、スマホの待ち受けにしてみたりしたことがある人も多数いるでしょう。  傷ついてきた経験からくる奥ゆかしさと、用心深さの一方で、語りたい欲、隠している後ろめたさとのせめぎ合いだからです。  しかし、本作では、叶の脳内でヒーロー・エマ―ジェイソンがこう言ってくれます。 「己の生活を守るため、正体を隠すのは悪ではない」 「君には守るべきものがあるはず。平穏な生活のために」  ちなみに、徹夜で特撮を見たためにボロボロの叶は、電車でお年寄りが近づいてきたとき、席を譲りますが、そのきっかけも脳内のヒーローの言葉でした。 「ボロボロ? それは言い訳だ。自分が苦しいからって、弱きものを見捨てて良い理由にはならない」  特撮だけでなく、自分の好きなキャラやアイテムなどが、行動規範や行動原理になり、「頑張っている〇〇に恥ずかしくない自分でいよう」と襟を正したことのあるオタクも多数いるのではないでしょうか。  老若男女を問わず、アイテムを問わず、「家族に嫌がられても、周りに白い目で見られても」やめられない、愛するモノを持つすべてのオタクに見て欲しいドラマです。 <文/田幸和歌子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon
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